新型コロナの影響で生活が苦しさを増す看護・医学生がいる。緊急事態宣言が解除され居酒屋などの営業は再開されたものの、医療機関での実習に備え、コロナに感染しないようにアルバイトが禁止されているケースがあるためだ。バイト代を学費に充ててきた学生は途方に暮れている。【杣谷健太】
「実習中もバイトをする予定だった。収入がなく困っている」。宮崎市の私立看護専門学校3年の女性(20)はつぶやいた。高校卒業後の2018年4月に進学。月約5万円の奨学金のほか、居酒屋2軒を掛け持ちして月7~10万円を稼ぎ、学費年約100万円は余裕を持って払えていた。
しかし今春から、実習のある最終学年の3年は病院から実習2週間前の居酒屋などでのバイトが禁止。実家暮らしで家賃はかからないが、学費の一部を両親に払ってもらわなければならなくなった。
女性の学校が特別なわけではない。医学科と看護学科のある宮崎大は、コンビニや居酒屋など不特定多数相手のバイトを全学年で禁止。「臨床実習先の安全を確保する必要がある」と説明する。コロナの影響で実習が延期となっている県立看護大は制限は設けていないが、「実習を受け入れてくれる医療機関側から制限を求められるだろう」という。
政府は5月下旬、困窮する学生に10万~20万円を支給する「学生支援緊急給付金」を創設。ただ、女性は「一時的にお金をもらえたとしても大変なことに変わりはない。奨学金を増やしてもらうしかない」と訴える。
「学費減額など対応を」
日本民主青年同盟宮崎県委員会は5月末、大学や専門学校の授業料減額や、バイト禁止措置がとられている学校の学生に対する現金給付などを求める要望書を同県に提出した。
熊本県には、コロナの影響で困窮する学生支援のため、大学生や専門学校生などを対象とした独自の給付金制度(5万円)があり、大迫雄大委員長は「宮崎県も、学びが保障されるように学費減額などの対応をとってほしい」と求める。
宮崎県総合政策課は「声があることは受け止めている。直接、現金給付はできないが、飲食店の経営を支援することが間接的に学生支援になると考えている」としている。