ふるさと納税「宿泊券」期限延長 岐阜・飛地方「知らずに来訪」も

新型コロナウイルスの感染拡大を受け、岐阜県外からの観光客の来訪自粛を呼び掛けている飛地方の2市1村(高山市、飛市、白川村)で、国のふるさと納税制度の返礼品の一つ「宿泊券」の有効期限を延長する動きが相次いでいる。自治体のファンでもある「納税者」が感染不安を抱きながら訪れる事態を避けるためだが、延長の周知が徹底されていないため納税者が無理をして来訪するケースもあり、今になって対応を急ぐ自治体も出てきた。【大竹禎之】
自粛続くなかで知らずに
「返礼品としてもらった宿泊券の有効期限が今月末までなので、自粛ムードが続くなかでも来ました」。路線バスの間引き運転や飲食店の営業自粛が続いていた6月初旬、白川郷の合掌造り集落に埼玉県から来ていた夫婦は、毎日新聞の取材にこう打ち明けた。実際には期限が延長されていたが、この夫婦は知らなかった。
高山市の調べでは、6月上旬時点で133件の宿泊券を発行していた。不安を募らせた納税者からの声が届いた4月上旬、宿泊の受け入れ先となる「飛高山旅館ホテル協同組合」が12月25日まで、「平湯温泉組合」も12月中までの期間延長を決めていた。
だが市では納税者に直接知らせておらず、問い合わせがあった場合に限り「延長したことを伝え、事業者と日程を調整して」と案内していた。市の担当者は毎日新聞の取材に「丁寧な対応ではなかった」と話した。
取材後の市の調査では、既に期限が切れていたり9月中旬に迎えたりする宿泊券が計32件あることも判明。市は今後、個別に通知するという。
スピード重視で通知も
飛市と白川村にも高山市と同様の返礼品がある。5月末に期限を迎える宿泊券が40件あった飛市では今年4月、年内に期限が切れる324件について1年の期限延長を決め、一斉に通知した。使用済みかどうかの確認作業も省き、スピードを重視した。
一方、白川村では5月20日までに発行済みの宿泊券19件について、今月9日になってようやく1年の期限延長を決めた。ふるさと納税のポータルサイト事業者を通じ、納税者に通知する作業を進める。
2市1村は4月末、「飛はお休み中です」とした観光客向けの緊急メッセージを発表した。来訪の自粛要請は今も継続中で、18日に3首長が「飛お目覚め宣言」を出して自粛を緩和する。