河井夫妻そろって広島市議に10万円持参 案里議員の共謀関係捜査 東京地検

参院議員の河井案里容疑者(46)=広島選挙区=が初当選した2019年参院選を巡る選挙違反事件で、公職選挙法違反(買収)の疑いで逮捕された夫で前法相の克行容疑者(57)=衆院広島3区=と案里議員(いずれも自民党を離党)がそろって広島市議の選挙事務所を訪れ、10万円を渡そうとしていたことが判明した。克行議員が買収資金の大半を1人で提供したとされるが、東京地検特捜部は案里議員もこうした状況を認識していた疑いがあるとみており、共謀関係はさらに広がる可能性がある。
逮捕容疑となった買収総額は約2570万円で、うち約2400万円を地元議員らに提供した容疑で克行議員が逮捕された。残る170万円については、夫妻が共謀したとして案里議員も逮捕された。
19年4月7日投開票の統一地方選で当選した広島市議によると、当選が確実な状況になった同日深夜、夫妻が選挙事務所を突然訪れた。克行議員が「これはお祝いじゃ」と話して10万円の入った封筒を手渡したが、市議は政治資金として処理することが難しいと考え、受け取らなかったという。
広島選挙区(改選数2)では、6選を目指した溝手顕正・元防災担当相(落選)を推す自民党広島県連の反対を押し切り、2議席独占を狙った党本部が案里議員を擁立した経緯がある。当初は苦戦が予想されたこともあり、副法相や首相補佐官などを務めて知名度がある克行議員が溝手氏側の切り崩しを狙って地元議員らに現金を提供したとみられる。
ただ案里議員が1人で現金を持参したケースもあった。陣営関係者によると、克行議員と訪問先を分担していた可能性があるといい、夫妻そろって現金を提供しようとしたケースは少なかったとみられる。
選挙戦は克行議員が取り仕切り、無料通信アプリ「LINE(ライン)」を使うなどして陣営担当者に細かな指示をしていたという。夫妻の行動記録も選挙事務所で詳細に記録されており、案里議員は克行議員が地方議員や後援会関係者らを回って現金を渡していたことを把握していた可能性がある。特捜部は克行議員の容疑について、案里議員の共謀関係がどの程度問えるか慎重に調べている。
一方、特捜部は19日午前、広島市内にある夫妻の自宅マンションとそれぞれの事務所を家宅捜索した。【賀有勇、岩本一希、鶴見泰寿】