留学生30万人計画でバブル謳歌 日本語学校の驚くべき実態【コロナ禍が生む「嫌日外国人」】

【コロナ禍が生む「嫌日外国人」】#4

新型コロナウイルスの影響で、多くの留学生が来日できなくなった。結果、大きな打撃を受けたのが日本語学校業界だ。「日本経済新聞」の6月3日電子版にも、こんな見出しの記事が載っている。

<日本語学校への入学1割 入国できず、経営に支障も>

記事は、経営難に直面する日本語学校の話を紹介したうえで、<卒業後に日本の大学に進学する生徒も減少しかねず、大学のグローバル化にも影を落とす>と解説している。留学生の受け入れ現場の実態など全く知らない記者が、学校経営者に簡単な取材をして書いたのだろう。経済界の御用紙らしい記事である。

安倍政権が進めてきた「留学生30万人計画」は、出稼ぎ目的で、多額の借金を背負いアジア新興国から来日する“偽装留学生”の流入を招いた。その恩恵を受け、日本語学校業界はバブルを謳歌する。学校数は10年間で2倍以上に増え、昨年末時点で774校にまで膨れ上がった。

“偽装留学生”は現地の斡旋業者経由で、留学ビザ取得に必要な書類を捏造している。受け入れる日本語学校は、そんな事情など百も承知だ。「30万人計画」のインチキに加担し、利益を拡大するためである。

そうやって来日した留学生たちは、日本人が嫌がる低賃金の重労働に明け暮れる。日本語学校に在籍できる2年間では、母国で背負った借金の返済すらできない者が多い。そこで大学や専門学校に“進学”して、出稼ぎを続ける。

■留学生は貴重な金づる

この国には、日本語の能力や学力を問わず、学費さえ払えば留学生を受け入れる大学はいくらでもある。少子化で経営難に陥る大学や専門学校が急増しているからだ。「日経」が言うところの「大学のグローバル化」には、「学生不足を留学生で補い、学費を吸い上げる」という裏テーマもある。もちろんコロナで新入生が激減した日本語学校にとっても、すでに来日している留学生は、貴重な“金づる”だ。

実は、彼らを受け入れている学校の現場には、教育機関にあるまじきデタラメが横行している。

今年1月、大手日本語学校の関係者から、筆者に連絡が入った。この学校の経営者は、他に専門学校も運営している。その専門学校に日本語学校の留学生を強制的に内部進学させているというのだ。事実であれば、重大な人権侵害である。以降、4カ月にわたって取材してみると、驚くべき実態が明らかになった。

(出井康博/ジャーナリスト)