東京地裁で22日に開かれた裁判員裁判の初公判で、現住建造物等放火などの罪に問われた被告が透明なフェースシールドを着けて被告人質問に臨んだ。新型コロナウイルスの感染防止策の一環。裁判員らにとって、被告の顔に現れるさまざまな動きは事実認定の判断材料になり得るため、今後、同種の手法が広がる可能性がある。
被告はマスクで出廷したが、被告人質問の間だけは裁判所が用意したフェースシールドに着け代えた。被告は「違和感がある」と述べたが、平出喜一裁判長は審理を続行した。
弁護人の高橋宗吾弁護士が「口元の様子や顔全体の表情、動作も含めて、被告の証言の信用性が判断されるべきだ」として、公判前整理手続きでマスクに代わる代替策を裁判所側に要望。平出裁判長がフェースシールドの利用を決めたという。
立命館大の若林宏輔准教授(法心理学)は「マスク着用によって話し手の意図が伝わりにくくなる可能性はある。被告の発言が誤解されてしまう余地があるなら、裁判所や弁護人はフェースシールドなどの利用を検討すべきだ」と指摘する。【巽賢治】