自宅、マイカーがあっても「生活保護」を受けられるの? よくある誤解をひもとく

「生活保護は土地柄、車を手放せないので考えられない」「市役所に行ったが、持ち家があるので生活保護受給できず」「生活保護を受けたいが、自動車は手放せない」。 これは6月6日に実施された「コロナ災害を乗り越える いのちとくらしを守る なんでも電話相談会」に寄せられた相談の一部だ。新型コロナウイルスの影響で、仕事がなくなり収入がダウンし、明日の生活にも困っているという声があった。 セーフティネットとして機能するはずの生活保護。しかし、申請にまつわる誤解もあってか、必要な人たちが制度にたどり着けていない現状が浮かび上がっている。 持ち家の場合、売却を求められるのか。自動車の所有は、認められないのか。申請などを支援している太田伸二弁護士に実情を聞いた。 ●絶対に生活保護を受けられないというわけではない ーー生活保護受給を断られるというのは、よくあることなのでしょうか。 生活保護の相談に行った方が福祉事務所の職員から「自動車の保有は認められない」、「自宅があると生活保護は難しい」と言われることは、残念ながら珍しいことではありません。 私は宮城県で弁護士をしていますが、東北では生活に自動車が欠かせません。しかし、自動車の保有がネックになって、生活保護の申請・受給を躊躇する事案が数多くあると実感しています。また、新型コロナウイルスの影響で生活保護の申請に行った方から、自宅の保有を問題にされたという相談を何度か受けています。 しかし、自動車や自宅を保有していれば、絶対に生活保護を受けられないというわけではありません。 ●受給できる場合は? ーーどういった場合であれば、保有していても受給できるのですか。 まず、自動車についていえば、以下の4つの場合には、自動車の価値が高くないなどの条件も満たせば保有が認められます。 (1)障害のある方が通勤するために必要な場合 (2)公共交通機関を利用して通勤することが困難な場合(公共交通機関では通勤できない、深夜勤務など) (3)障害のある方が通院、通所、通学するために必要な場合 (4)公共交通機関の利用が困難な地域に住む方が通院、通所、通学するために必要な場合 また、失業して生活保護を受けることになった方などで、おおむね6カ月以内に就労によって保護から自立することが確実に見込まれる場合には、自動車の処分指導を行わないとされています。 なお、処分指導が留保されているだけなので、この場合は就職活動などに限って利用が認められることになっています。
「生活保護は土地柄、車を手放せないので考えられない」「市役所に行ったが、持ち家があるので生活保護受給できず」「生活保護を受けたいが、自動車は手放せない」。
これは6月6日に実施された「コロナ災害を乗り越える いのちとくらしを守る なんでも電話相談会」に寄せられた相談の一部だ。新型コロナウイルスの影響で、仕事がなくなり収入がダウンし、明日の生活にも困っているという声があった。
セーフティネットとして機能するはずの生活保護。しかし、申請にまつわる誤解もあってか、必要な人たちが制度にたどり着けていない現状が浮かび上がっている。
持ち家の場合、売却を求められるのか。自動車の所有は、認められないのか。申請などを支援している太田伸二弁護士に実情を聞いた。
ーー生活保護受給を断られるというのは、よくあることなのでしょうか。
生活保護の相談に行った方が福祉事務所の職員から「自動車の保有は認められない」、「自宅があると生活保護は難しい」と言われることは、残念ながら珍しいことではありません。
私は宮城県で弁護士をしていますが、東北では生活に自動車が欠かせません。しかし、自動車の保有がネックになって、生活保護の申請・受給を躊躇する事案が数多くあると実感しています。また、新型コロナウイルスの影響で生活保護の申請に行った方から、自宅の保有を問題にされたという相談を何度か受けています。
しかし、自動車や自宅を保有していれば、絶対に生活保護を受けられないというわけではありません。
ーーどういった場合であれば、保有していても受給できるのですか。
まず、自動車についていえば、以下の4つの場合には、自動車の価値が高くないなどの条件も満たせば保有が認められます。
(1)障害のある方が通勤するために必要な場合 (2)公共交通機関を利用して通勤することが困難な場合(公共交通機関では通勤できない、深夜勤務など) (3)障害のある方が通院、通所、通学するために必要な場合 (4)公共交通機関の利用が困難な地域に住む方が通院、通所、通学するために必要な場合
また、失業して生活保護を受けることになった方などで、おおむね6カ月以内に就労によって保護から自立することが確実に見込まれる場合には、自動車の処分指導を行わないとされています。
なお、処分指導が留保されているだけなので、この場合は就職活動などに限って利用が認められることになっています。