6月30日全国の国家公務員に一斉にボーナスが支給される。平均金額は8年連続増の91万1300円となる。夏のボーナスが90万円台の大台に乗るのは史上初だ。人事院によると公務員給与の平均は、40万5002円(43・4歳)。平均の支給月数は2・25カ月である。
コロナ禍に苦しむ民間企業と比べてみよう。
日本最大の労働組合の連合体「連合」が、加盟労組のボーナス交渉の回答額を集計して公表している。「2020年春季生活闘争、夏季一時金」(第6回、6月5日発表)である。これによれば、製造業は平均71万8251円、商業流通が56万7972円、交通運輸が47万6230円、情報・出版が69万6819円、その他が77万4083円と軒並み、公務員より低い。サービス・ホテルにいたっては3万円という惨状である。全体の平均は68万円で、昨年実績より2万円減った。
国民はコロナ禍に苦しんでいるのに
しかも、これは1企業当たりの組合員数が平均623人という、大企業の数字である。中小企業の中には「コロナでボーナスが出ない」「雇用の維持さえ難しい」という企業も少なくない。税金からボーナスが出るのに、国民の窮状を無視し、相変わらず公務員は優遇されている。
なお、テレビや大手新聞は、91万円という実数ではなく、68万円という過小の数字を報じている。というのは、国民の批判を恐れて、内閣人事局が少なく歪曲した数字を記者クラブに流しているからだ。
新聞やテレビが報じる平均額、すなわち内閣の大本営発表には「管理職を除く行政職、成績標準者」という注釈がついている。これがくせものだ。国家公務員の数は58万人、このうち専門職や幹部を除いた事務系公務員(行政職)は14万人。内閣人事局は、さらに課長など中間管理職も除いた若手7万人のみの平均を公表しているのだ。
さらに、国の人事評価では上位6割が「成績優秀者」、下位4割が「成績標準者」と呼ばれる。つまり、「成績標準者」の平均とは民間でいえば成績不良者の平均ということになる。これでは、金額が低く出るのは当然である。
多くの国民はコロナ禍に苦しんでいる。安倍内閣は、国民の窮状に合わせて公務員の厚遇を見直すべきだ。
(ジャーナリスト・若林亜紀)