埼玉、千葉、神奈川の首都圏3県では6月下旬ごろから東京都で感染した疑いがある事例が急増。大野元裕・埼玉県知事が都内での飲食の自粛を呼び掛けるなど緊張感が高まっている。
埼玉県では6月15~28日の2週間で計88人の感染者が確認された。県はこのうち45人が都内で感染した疑いがあると分析している。クラスター(感染者集団)が確認されているさいたま市大宮区のキャバクラ店では、同26日にまず都内在住の女性従業員の感染が判明し、都内の保健所から連絡を受けた市保健所が調査を開始。7月2日までに従業員12人と客の男性3人の感染が判明した。
大野知事は6月29日、報道陣に「東京由来の疑いのものが半分以上ある。都内の繁華街への外出は自粛してほしい」と訴えた。
千葉県では2日、4月24日以来の2桁となる11人の感染者が判明した。6月に入ってしばらく新規感染者は多くて3人、ゼロが続く日もあったが、東京と歩調を合わせるように下旬以降に増加。20日に都内の飲食店でスポーツ観戦をしたいずれも県内の客6人と従業員1人の集団感染が判明するなど、22日以降の感染者54人のうち少なくとも29人に都内への往来が確認されている。
横浜市では6月30日までに、同市中区のホストクラブで働く男性従業員32人の感染が市の集団検査などで判明した。このうち数人はクラスターが発生した東京都新宿区のホストクラブでも勤務しており、市が関連を調べている。神奈川県内では店を利用した客からの相談が保健所などに相次いでおり、市の担当者は「(従業員の)感染経路確認よりも、客の検査など今後の拡大防止で精いっぱいだ」と話した。【鷲頭彰子、宮本翔平、中村紬葵】