新型コロナの感染が再拡大しつつある東京都。1日の新規感染者は67人と、6日連続で50人超えとなった。小池都知事は「東京アラート」を廃止し、6月30日に新指標7項目を公表。ところが、数値基準がないため、どうなったら都民に注意喚起するのかさっぱり分からない。しかも、厚労省の“発令基準”までスルーしている。
厚労省は同19日に開いた「今後を見据えた新型コロナウイルス感染症の医療提供体制整備について」の会議で、事業者の休業や自粛を含む「感染拡大防止のための社会への協力要請」を呼び掛ける基準を各都道府県に示している。
人口10万人当たりの新規感染者数(週平均)が「2・5人」を上回った日を「基準日」とし、基準日から「3日目」を協力要請を出すタイミングとして掲げているのだ。人口規模の大きな都道府県においては、「基準日から1~2日とすることも考えられる」とも示している。
要するに「2・5人」を超えたら3日目までに注意喚起せよというわけだが、東京は既にこの数値を超過しているのだ。1日の衆院厚生労働委員会で、国民民主党の岡本充功議員の質問に、厚労省健康局長は「6月29日に週平均感染者が2・61人になった」と答弁。つまり、1日が基準日から「3日目」だったのだ。
小池知事が休業要請や注意喚起を全くしないのは、厚労省の基準にも反しているということだ。
■やっぱり「選挙ファースト」か
さすがに、政府の専門家会議で副座長を務めた尾身茂・地域医療機能推進機構理事長も、参考人として「懸念する状況であることは間違いない」と都内の感染状況を危惧。「クラスター感染が離れたところに広がっている」「どういうところで感染しているか、対策に必要なスピードで疫学情報が思うようなレベルでは集まっていない」と不安視している。
政治ジャーナリストの角谷浩一氏はこう言う。
「都内で感染が拡大しているのは厳然たる事実。周辺の埼玉、神奈川などにまで広がりつつある状況です。これで注意喚起しないというのは、知事として責任を放棄したに等しいのではないか。東京五輪の延期が3月下旬に正式決定する以前も、小池知事はコロナ対策に後ろ向きでした。3月中は五輪に冷や水を浴びせないため、現在は自らの選挙のために、感染拡大を覆い隠していると疑われても仕方がありません」
2日には新たに100人以上の感染が確認された。“選挙ファースト”の小池知事に都民の命は預けられない。