球磨川「重要水防箇所」12カ所で決壊氾濫 河川改修追い付かず 熊本豪雨

熊本豪雨により球磨(くま)川の国管理流域で発生した決壊・氾濫計12カ所は、いずれも洪水リスクが高く注意を要する「重要水防箇所」指定地とほぼ重なっていたことが、国土交通省九州地方整備局(九地整)への取材で判明した。国は地元に注意喚起しながら河川改修を進めてきたが、頻発する豪雨災害を前に対応が追いつかない現状が改めて浮き彫りになった。
九地整によると、球磨川では熊本県内11カ所で越水により氾濫したほか、人吉市中神町で堤防1カ所が決壊した。12カ所のうち一つ(八代市坂本町)は、最も危険度が高い「Aランク」に指定されている場所の近くで、越水により広範囲に浸水被害があった。また、堤防の高さや大きさに余裕がない「Bランク」の指定地とその付近の6カ所でも越水していた。
残り5カ所は、過去に堤防が壊れたり、古い河川があったりした場所を含む「要注意」指定地とその周辺だった。人吉市の堤防決壊現場付近や、入所者14人が死亡した球磨村の特別養護老人ホーム「千寿園」周辺も「要注意」に指定されていた。
重要水防箇所は、河川管理者が防災上、特に注意が必要な場所として指定し、地元水防団などに周知する。球磨川の国管理区間は約100キロあり、堤防の整備率は76%。重要水防箇所はAランクだけでも47カ所(総延長約9キロ)に上る。
九地整の担当者は「優先順位をつけて改修しているが整備の予算は限られ、一度に解消はできない。これから現地調査して検証したい」と話した。【門田陽介】