新型コロナウイルスの感染再拡大を受けて、東京都の小池百合子知事が「不要不急の他県への移動自粛」を求めたことについて、菅義偉官房長官は6日の記者会見で「現時点で県をまたいだ移動の自粛を一律に要請する必要はない」と異論を挟んだ。3~5月の感染拡大時に問題となった国と都道府県の足並みの乱れが、再拡大の局面でまたも表面化した。
東京都では7月2日から5日連続で新規感染者が100人を超えており、小池氏は4日の記者会見で「不要不急の他県への移動は控えてほしい」と呼びかけていた。これに対して、菅氏は6日の会見で「現時点の感染状況に鑑みて、県をまたいだ移動の自粛を一律に要請する必要があるとは考えていない。引き続き、警戒感を持って専門家の意見をうかがいながら、地域の感染状況を注視していきたい。これが基本的な国の姿勢だ」と説明した。小池氏の見解のズレについては「東京都とも調整をしていきたいが、(自粛要請は)東京としての判断だろうと思う」と述べた。
改正新型インフルエンザ等対策特別措置法では、政府が基本的対処方針で新型コロナ対応の方向性を決めることになっているが、実際に外出自粛、移動制限、休業などの協力を住民に求める権限は都道府県にある。3~5月にも休業要請の判断・解除基準などを巡って、国と都道府県で責任を押しつけ合う場面があった。【秋山信一】