東京都知事選挙は小池百合子さん(カイロ大卒)が当選。おめでとうございます!
3年前の「嬉しそうな顔」を忘れられない
しかしこの圧勝により、来年も都知事選があるかもしれない。
私は忘れられないのだ。小池氏が3年前に希望の党を結成したときに見せた国政復帰、いや、首相就任への色気を。自分に風が吹いていることを確信した嬉しそうな顔を。
希望の党はどこかにいったが小池氏はまたしても希望を抱き始めたはず。希望は「野心」と変換してもいい。
私だけの見立てだと思ったら違うようだ。都知事選翌日の紙面を紹介する。
「小池氏の心は国政へ?」(日刊スポーツ)
《都知事というポストには関心があるが、都政には関心がない小池さんは来年秋以降、国政に戻ることを考えるのでないか。自民党の二階敏博幹事長への接近の仕方を見ると、自民党に受け入れられる形をつくり、後継者のいない二階派を継承することを考えているのではないか。》(東京都庁の元職員でもある佐々木信夫中央大名誉教授)
さらに日刊スポーツ名物コラム「政界地獄耳」は、
《政界での興味は、選挙上手で抜群の政局勘を持つ都知事・小池百合子がいつその座を明け渡して国政に逃げ込むか、その時にどの党でどういう形で転じるのかが焦点だ。》
えー、もうそこまで? 地獄耳が過ぎる。
「“夜の街” 要注意」フリップのインパクト
圧勝した小池氏の手法は直近でも「見せ方」「インパクト」にこだわっていた。
東京都で新型コロナウイルスの新たな感染者が124人確認された7月3日、小池都知事は定例会見であらためて「“夜の街” 要注意」というフリップを掲げた。しかしその下には、
(ガイドライン遵守店を除く)
エーーーー、これだと「夜の街」というインパクトがまず印象に残っちゃう。
この手法は何かに似てると思ったら東スポの見出しだ。
「ツチノコ発見」と思いきや最後に小さく「か?」。東スポの場合は芸であり愛敬だが、都知事がこんな煽りをしたら、きちんと対策している店までイメージが悪くなる。
ウイズコロナとは言うがウイズ夜の街とは言わない都知事。「夜の街」は「都議会はブラックボックス」のようにターゲットになった。敵をつくって叩く例の手法ともいえる。
本当に圧勝した現職都知事なの?
相変わらずの「見せ方」や「インパクト」にこだわる政治。では中身はどうだったのか。都知事選翌日の社説をみるとびっくりするタイトルが並んだ。
「求められる説明と実践」(朝日新聞)
「地に足着けて問題解決を」(毎日新聞)
これ、本当に圧勝した現職都知事なの?
説明と実践が求められるとか、地に足着けてとか、つまり何もやっていないようにも見える。この4年間は一体何だったのか。さらに産経新聞の社説には「問われているのは公約の実現である」。ああ。
スポーツ報知は「公約は難解横文字ばかり」とし、
「グレーター東京構想…?」「ワイズ・スペンディング…?」「フレイル政策…?」
???の嵐。
報知は小池氏の言葉についてよほど疑問に思っていたのだろう。3日前にはこの人に聞いていた。
「ルー大柴『僕から見てもカタカナ多いな』小池百合子語録を斬る」(スポーツ報知WEB7月2日)
「寝耳にウォーター」のルー大柴さん! これは報知の企画力の勝利。
朝日は東京版のページで「130超の公約 進み具合の説明必要」とあらためて書いた(7月6日)。
《4年間の任期中、小池氏が記者会見などで厳しい質問を受けた際、はぐらかす姿を度々目にしてきた。》
《2期目に何を達成し、達成できないのか。報道機関として随時検証するとともに、小池氏自身も進み具合や結果を説明していく必要がある。》
もう一度言うが、これが圧勝した現職都知事への注文なのである。かなり深刻。
「4年間の任期を全うする?」に対して……
しかし小池氏の頭はもう政策より政局なのだろうか。国政復帰について選挙翌日の各紙はこうふれる。
《自民党では「都議選の結果や東京五輪の成果次第では、小池氏は再び国政復帰に色気を出すのではないか」(閣僚経験者)と警戒する声もある。》(読売新聞)
テレビ東京の都知事選速報では池上彰氏に「4年間の任期を全うされると約束されますか?」と問われた際、「自分自身の健康をしっかり守っていきたいと考えております」と小池氏は言った。いつもの論点ずらしだったが、珍しく言葉がたどたどしかったのは生々しかった。
さらに具体的な声も。
《自民の閣僚経験者は「大阪府の吉村洋文知事や日本維新の会と組まれると厄介だ」と語った。》(毎日新聞)
どうやらポイントは来年の都議選にあるよう。
そのヒントは実は今回おこなわれた「北区」の都議補選にあった。
都民ファーストの会と自民党が激突
「自民と都民ファ 北区で激突」(東京新聞6月25日)
都知事選では実現しなかった都民ファーストの会と自民党が激突していたのだ。
その経緯がすごい。
都民ファは、小池氏が二階俊博自民幹事長と良好な関係を築いていることから、対決を避けて候補擁立を見送るとの観測が流れていた。しかし「積極的ではなかった小池氏を押し切る形で」元知事秘書の擁立を決めた。
小池氏は「自分の選挙に集中する」と応援に入らない考えを示したという。ルー大柴風に「トゥギャザーしようぜ」ではなかったのである。
おまけに公明党は《都議会では親小池派として都民ファと歩調を合わせるが、補選は反小池派の自民候補を推薦する。》
これに対し《裏切られた形の都民ファ幹部は「都民にどう説明するんだ」と恨み節をこぼす。》
すごい。敵と味方がくっつく「ねじれ状態」。視線が国政にあるからこうなる。
小池百合子記事を追うと、来年もまた都知事選があるかもしれないとやっぱり思えてきました。
(プチ鹿島)