通勤時間長すぎ…? 埼玉県民が「日本一眠らない」理由

健康な生活を送る上で欠かせない睡眠時間の確保。総務省統計局が5年ごとに行っている「社会生活基本調査」最新版(2016年)の「睡眠時間たっぷり!?ランキング」で、埼玉県は最下位。トップは秋田県で、47都道府県で唯一、8時間超えとなった。「日本一眠らない県民」から見えるお国柄を探った。【高野裕士】
ランキングによると、1日当たりの睡眠時間の全国平均は7時間40分。最下位の埼玉県は7時間31分、トップの秋田県は8時間2分で、30分以上の開きがあった。
秋田の長時間睡眠は「全国屈指の高齢社会であることが、主な要因と考えられる」――。かつて日本睡眠学会理事長も務めた、秋田県精神保健福祉センターの清水徹男所長(元秋田大医学部教授)はそう分析する。内閣府が公表している19年版の「高齢社会白書」によると、18年現在の秋田県の高齢化率は36.4%。全国1位で、唯一の30%台後半となった。仕事を引退したお年寄りが多いと、睡眠に充てる時間を確保できる人が多くなるという見方ができるという。
また清水所長は、社会生活基本調査の他のランキングにも着目する。その一つが「通勤・通学時間が長い!?ランキング」だ。秋田は青森など他の3県と並び、短い方から2番目の全国43位タイとなる一方、長時間通勤・通学トップ3の神奈川、千葉、埼玉各県は「睡眠時間たっぷり!?ランキング」では打って変わってワースト3を占める。通勤・通学時間が長いと、睡眠時間を削らざるを得なくなるということだ。「秋田は大都市圏からは(通うのが困難なほど)遠く離れているし、農業県でもある。通勤時間が限られる人も多いのではないか」
また、清水所長は就寝時間の遅さを比べた「夜更かし!?ランキング」で秋田県民が最下位(午後10時33分)と、日本一寝床につくのが早いとされていることも注目点として挙げる。一般的に睡眠覚醒リズムが前倒しとなり、早寝早起きとなるお年寄りが多い証左となることに加え、「冬場は日照時間も短く、寒さも厳しいから『灯油代がもったいないから、さっさと布団に入ろう』となるのかもね」と話す。
県民の睡眠時間 55歳以上、特に短く
2016年の社会生活基本調査を基にした埼玉県の集計によると、県民(10歳以上)の睡眠時間は男性が平均7時間35分、女性が同7時間28分。前回調査(11年)と比べると4分減少し、特に年齢層別で55~64歳(7時間3分)が同19分短くなった。
通勤・通学時間(15歳以上)は、男性が平均1時間8分で全国3位、女性が同45分で同5位。年齢層別にみると、45~54歳の男性(1時間19分)で同年齢の全国平均より19分、15~24歳の女性(1時間22分)が同19分、それぞれ長かった。
主な行動の平均時刻は、朝食開始が午前7時2分で全国15位、夕食開始は午後7時16分で同43位、就寝時刻は同11時22分で同41位。仕事を持つ人の出勤時刻は午前8時17分で全国14位、帰宅時刻は午後7時7分で同42位だった。通勤と仕事での外出時間が長く、夕食をとる時刻や就寝時刻が遅くなる傾向がうかがえる。
一方、仕事に費やす時間は、男性が6時間39分で全国40位(通勤時間との合算では同13位)。女性は4時間24分で全国で最も短かった(同45位)。【藤田祐子】