餌が10年ぶり大凶作「クマった」ことに 空腹のクマに注意を 石川

石川県は9日、ツキノワグマの主要な餌となるブナの実が10年ぶりに大凶作になるとの予測を発表した。2019年は05年の統計開始以来2番目に多い目撃件数を記録したが、今年も同程度の多さでクマが目撃されている。県は秋に里山周辺で人とクマが遭遇する危険性があるとして注意を呼びかけている。【阿部弘賢】
県はこの日開かれた市町との連絡会議で、ブナ科植物の資源調査結果を明らかにした。調査によると、ブナは調査地点の全てで雄花の落下数が少なく、今秋は5段階で最悪の「大凶作」になると推測される。落下調査で大凶作となるのは16年以来で、8月の実の調査で大凶作となれば10年以来となる。一方、ミズナラは「豊作」、コナラは「並作」だった。
県によると、クマのすみかとなる標高の高い奥山でブナとミズナラの両方の実が少ない年はクマが大量出没する傾向がある。今年はミズナラが豊作予測のため緊急的な警戒は必要ないものの、昨年のように当初豊作とみられていたミズナラが実際には凶作となった例もあるため、今後の実の付き具合が重要になると指摘する。県は9月に実の付き具合を公表する予定。
今年のクマの目撃件数は144件(7月6日現在)。捕獲数は32頭(同)は05年以降最多となっている。今月6日には金沢市内で山道を歩いていた60代男性がクマに襲われて頭などを負傷する人身事故も起きた。
県の担当者は「クマの出没情報に注意するとともに、山に入る際は鈴やラジオなどで自分の存在を知らせるようにしてほしい」と呼びかけている。