新型コロナの感染拡大の原因としてヤリ玉に挙げられている「夜の街」のホストクラブとキャバクラ。安倍政権がこの2つを狙い撃ちしようとしている。
西村康稔経済再生担当相は14日、これらの店舗のうち業界団体のガイドライン(指針)を順守しない店に対し、「特措法第24条9項に基づく休業要請などを実施すべき段階にきている」と明言した。
ガイドラインでは従業員や客にマスクやフェースガードの着用、アクリル板とビニールカーテンの設置を求め、実施した店に政府が「持続化補助金」として最大200万円まで支援する方針。感染防止を守った店舗にはステッカーや宣言書を配布する。だが、ガイドラインを守らない店には認証を渡さず、知事が休業要請を出し、顧客にも店舗利用を控えるよう呼びかける方針だ。
前回の休業要請は居酒屋やスポーツジム、映画館など広範囲にわたったが、さすがに2度目の“休業要請”は反発が大きいと判断し、ピンポイントで休業要請するつもりのようだ。
しかし、ホストとキャバ嬢の封じ込めは、どこまで効果があるのか。彼らにも生活がある。それなりの補償をしなければ、要請だけでは応じない可能性がある。表向き休業しても地下に潜る恐れもある。
風俗ライターの蛯名泰造氏は「キャバ嬢は今、個別にお客と酒を飲んでいる」と話す。
「自分を指名していた常連客を10~20人リストアップして電話し、一緒に酒を飲んでギャラをもらう個別営業にチェンジ。複数の男性客を相手にする子もいます」
一方、一部のホストクラブは前回の休業要請の際、閉店を装った店内に口の堅い常連客を入れて個別営業をしていた。
「ホストが女性客のマンションに出向く『出張接待』は今も続いています。隣近所にバレないよう、清掃会社の作業服を着て客の部屋を訪問し、道具用の大型ケースで酒や氷、料理を搬入。もちろんドンペリも入っています。大声で騒ぐのは無理ですが十分楽しめます」(蛯名泰造氏)
安倍政権も、それほど効果を期待していない可能性があるという。
「国民へのパフォーマンスでしょう」とは元衆議院議員で政治学者の横山北斗氏だ。
「ホストやキャバ嬢に厳しい態度を取れば、政府が感染対策に本気で取り組んでいることをアピールできると計算している疑いがあります。ホストやキャバ嬢が従わない時は、前回のように“自粛警察”が彼らへの反感を喚起してくれると期待しているのでしょう。国民が国民を憎む構図が成立し、政府の威信は傷つきません」
「夜の街」を敵視するだけでは、感染拡大は止まらない。