「世界の目、向けさせた」=日本の美表現、欧米で反響―山本寛斎さん

1970~80年代、一瞬にして衣装を替える歌舞伎の「ぶっ返り」などの技法から発想した色鮮やかな衣装など、日本の美を表現した山本寛斎さんの服は欧米で大きな反響を呼んだ。服飾評論家の深井晃子さんは「エキゾチックなデザインで世界の人の目を日本に向けさせたデザイナーだった」と語る。
山本さんは、同時代に活躍したファッションデザイナーの高田賢三さん、三宅一生さんらと共に世界のモード界に多大な影響を与えた。エルトン・ジョン、デビッド・ボウイら大スターのステージ衣装をデザインしたことで、さらに知名度は上がった。
「70~80年代に欧米で日本人デザイナーが知られるためには、正攻法では難しく、他とは違うことをやらないと通じなかった。日本的な伝統を前面に押し出した山本さんの手法は、海外の人にも分かりやすかったのでしょう」と深井さんはみる。
資生堂のファッションディレクターで、国内外のファッションに詳しい呉佳子さんによると、現在のコロナ渦で今秋のパリコレクションをどう運営するかを議論する主要国に英国、ベルギーと共に、日本が位置付けられている。「ファッションの殿堂であるパリで、日本がアジア圏で唯一大きな勢力とされているのは、山本さんらが築いた功績です」と呉さんは指摘する。
山本さんは90年代以降、ファッションに音楽、ダンスなどの要素を取り入れたショーのイベントプロデューサーとして精力的に活動した。「意表を突くような大胆なことをばんばん演出する才能があった。着る服は派手だったが、素顔は真剣に取り組む真面目な人だった。惜しい人を亡くしました」と深井さんは結んだ。
[時事通信社]