農林水産省が豚コレラ対策として19日、養豚場の豚へのワクチン接種を実施する方針を固めた。昨年9月以来、対策に腐心してきた岐阜県養豚協会の吉野毅会長は「方針決定は遅すぎたが感無量だ。県内の養豚業界は取り返しのつかない状態になってしまったが、被害者の悲しみ、苦しみをようやく分かってくれたということだろう」と語った。
昨年9月、岐阜市の養豚場で国内では26年ぶりとなる豚コレラの感染が判明した。同協会では、感染判明当初から、ワクチン接種を求め続けてきた。だが接種を行うと豚肉輸出が難しくなる可能性があり、政府は難色を示してきた。他県の同業者からも当初「(ワクチンを)話題にもするな」と叱責を受けたという。それでも要望し続け、この日も東海地方の国会議員に「一日も早くワクチンを接種してほしい」と、国への働き掛けを強く求めていた。
これまでに、県内で飼育する豚の半数以上にあたる約6万2000頭が殺処分された。政府の方針転換を受け、吉野会長は「(豚コレラとの)長い長い戦いは続く。しかし、県内の養豚業者には経営再開に向けた希望の光が見え始めたのではないか」と述べた。【岡正勝】