IT企業LINE(ライン)傘下の「LINEヘルスケア」(ヘルスケア社)は、経済産業省から受託したオンライン健康相談事業で、医師が相談者に不適切な対応をしたと発表し、謝罪した。医師が相談者に「低レベル」などとメッセージを送ったとされる画像がツイッターに投稿されたが、ヘルスケア社の広報担当者は「該当部分を含めて確認した」と事実関係を認めた。
経産省は3月、新型コロナウイルス感染症の流行で患者の受診控えが進む中、国民がスマートフォンやパソコンを通じて医師に相談できるよう事業を始めた。ヘルスケア社が3月11~31日に受託し、一度途切れた後、再び5月から8月まで受託した。
ヘルスケア社が提供するのは会社と同名のサービスで、「24時間365日、医師に相談できる」とうたう。内科、小児科、産婦人科、整形外科、皮膚科、耳鼻咽喉(いんこう)科で対応。利用者はアプリで登録の医師を選び、チャットなどで相談する。医師が病名を診断して薬を処方する「診療」と異なり、一般的な健康不安の相談しかできないという制約がある。国から事業の委託費がヘルスケア社に支払われるため、利用者の負担はない。
今月2日、このサービスの利用者とやりとりしたという人物がツイッターに利用者と医師のやりとりの画像を投稿した。画像は、医師がチャットで利用者に「ガキンチョ」「よくいる世間知らずの10代の女の子」と伝え、太宰治などを引き合いに「深く考えすぎると結論としては、死ぬのが正解となりますし、たぶん正解なんでしょう」と回答した、という内容だった。
ヘルスケア社は2日に画像の存在を把握し、事実関係を確認。3日付で「医師1名においてお客様に対して利用規約違反の行為が確認されました。お客様の気持ちを傷つけ、多大なるご迷惑をおかけしました」とする謝罪文を自社ウェブサイトに掲載し、該当の医師を2日から利用停止にしたと明らかにした。
ヘルスケア社の広報担当者は医師の素性や詳細な経緯を説明していない。経産省ヘルスケア産業課は「極めて遺憾だ」とし、ヘルスケア社からの詳細な報告を待って対応を検討する方針だ。【原田啓之】