うがい薬でのうがい、厚労省「国として推奨する段階ではない」

大阪府の吉村洋文知事らが、新型コロナウイルスの感染対策にポビドンヨード入りのうがい薬でのうがいの励行を求めたことについて、厚生労働省は5日、国として推奨する段階ではないとの見解を示した。
厚労省の担当者は、国会内で開かれた野党の会合で、「国として推奨するとかしないとか、そういう段階ではない」と説明。「効果があるというには時期尚早ではないか。引き続き、研究を続けていただきたい」と述べた。
一方、日本医師会の中川俊男会長は5日の定例記者会見で、「科学的根拠が十分ではない」と指摘した。「不適切だと責めるつもりはないが、国民には慌てて行動しないようにしてもらいたい」と話した。
吉村知事らの発言は、大阪府立病院機構大阪はびきの医療センター(羽曳野市)の研究成果を受けたもの。吉村知事は5日、自身が発表したうがい薬の新型コロナウイルスへの効果について、「誤解されている。予防効果があるとは言っていない。予防薬でも、治療薬でもない」と述べ、買い占めをしないよう改めて求めた。
ポビドンヨードを主成分とするうがい薬は医薬品で、無許可販売は医薬品医療機器法で禁じられている。吉村知事は「転売は犯罪行為だ。やめてください」と呼びかけた。