学校再開後、児童生徒242人感染 半数超が家庭内で 校内感染は5%

新型コロナウイルスの影響で休校していた学校の多くが再開した6月1日から7月末までに感染が確認された小中高校と特別支援学校の児童生徒は計242人に上り、うち57%に当たる137人の感染経路が「家庭内」だったことが6日、文部科学省の集計で分かった。「校内感染」が確認されたのは中高の4件だけで計11人(5%)にとどまった。「感染経路不明」は57人(24%)だった。
同省はこの集計などを基に、5月に策定した学校向けの感染症対策マニュアルを改定。6日に全国の教育委員会に通知し、感染者が出た場合の休校期間を、濃厚接触者の範囲の特定や検査に必要な日数で十分として、1~3日間が一般的とする見解を示した。
校内感染の割合を踏まえ、同省は「集団生活での感染リスクが他よりも高いとはいえない」と分析。感染拡大に対する警戒が強まる場合でも、分散登校やオンライン授業などの可能性を積極的に検討して授業を継続するように求めた。
集計によると、「家庭や学校以外の活動・交流」は31人(13%)、「海外からの帰国」は6人(2%)だった。校内感染では、感染者同士が同じ学級や部活動だったケースが確認された。高校では、カラオケや演劇鑑賞など校外の活動での接触が原因とされる事例も報告されたという。
通知では、消毒作業をめぐる教員の負担を軽減するため、通常の清掃活動で机やいす、ドアノブなどを家庭用洗剤で拭く程度で十分とし、児童生徒が行っても問題ないことを明記した。
暑さ対策は、熱中症のなりやすさを示す「暑さ指数(WBGT)」などを踏まえ、マスクを外すように指導することを求めた。
児童生徒のほか、教職員51人と幼稚園関係者29人(うち幼児16人)の感染も確認された。