仮想通貨(暗号資産)交換業者「コインチェック」(東京都渋谷区)から580億円相当の仮想通貨「NEM(ネム)」が流出した事件で、組織犯罪処罰法違反(犯罪収益の収受)罪に問われて公判中の男性医師(30)=北海道帯広市=が取得したネムの一部について、東京地裁が没収保全命令を出したことが捜査関係者への取材で判明した。仮想通貨を対象とする同命令は全国初とみられる。
保全対象は、男性医師が経営する会社名義で国内の仮想通貨交換所に保有しているネム35万円分。有罪判決が確定すれば国庫に移される。
男性医師は2018年2~3月、コインチェックから流出したネムだと知りながら、インターネットの闇サイト上の交換所で約1億1000万円分のネムを不正に取得したとして20年3月に警視庁に逮捕された。東京地裁は、警視庁の組織犯罪処罰法に基づく請求を受け、起訴前の3月30日付で没収保全命令を出した。ネムの大半は海外の交換所で保管されているとみられるが特定できず、対象とならなかったという。
ネムを流出させた人物は特定されておらず、警視庁は不正アクセス禁止法違反などの容疑で捜査を続けている。【柿崎誠】