高知県黒潮町の大西勝也町長(49)は19日、女性に対する自身のわいせつ行為の責任を取って辞職した。「一身上の都合」とする退職申し出書を町議会議長に提出し、19日午前9時から開かれた臨時議会で同意された。大西氏は「心深く傷つけてしまった相手の方にどのような謝罪の言葉も見つからない。町民にもおわびしたい」と陳謝した。
議会閉会後に記者会見した大西氏は冒頭、頭を深々と下げ、「猛省の日々を過ごすことをお許しください」とのコメントを読み上げた。
大西氏の説明によると、女性とは町長の職務を通じて知り合い、今年、県内の飲食店で別の知人とともに会食した。知人が帰った後、2人で別の店で飲酒し、店を出てから自分の車に乗るよう促した。女性は拒否したが、車内で体を触った。女性からは後日にも抗議を受けたという。
大西氏は「詳しい内容は相手方の特定につながる。発言によって更に傷つける」と疲れた表情で語った。その上で記者らの質問に応じ「好意を持っていたのは事実。当日は悪いことをしている認識はなかったが、後に振り返ればそういう認識を抱くのが普通の行為だと思う」と述べた。さらに「お酒が入っていたのは事実。自分を律することができる人間が政治をやるべきだ。(自分は)そうではなかった。相手が(町長の)権力を感じる場面は多々ある。認識が薄かった」と胸の内を語った。
大西氏は黒潮町出身。県立中村高校を卒業後、海外で洋ラン栽培などを学んで帰郷し、農業に従事した後、2010年の町長選で初当選した。14、18年は無投票で当選を重ね、3期目だった。町内では南海トラフ巨大地震で最大約34メートルの津波が来ることが想定されており、若手のリーダーとして防災対策などを積極的に進めた。
公職選挙法によると、議長は町長の退職申し立てから5日以内に選挙管理委員会に通知し、その翌日から50日以内に選挙が行われる。【北村栞、上野力】