安倍首相の今後 トランプ氏らとのパイプ維持し「院政」か…「3度目登板」の可能性も!? 八幡和郎氏が緊急寄稿

憲政史上最長の安倍晋三政権が幕を閉じることになった。今回の電撃辞任表明をどうみるか。「ポスト安倍」の動きは。『歴代総理の通信簿 国家の命運を託したい政治家とは』(PHP文庫)の著書もある、評論家の八幡和郎氏が緊急寄稿した。

安倍首相の電撃辞任を伝えるニュースで、史上最長の在任期間を誇る「偉大な宰相」にふさわしい賛辞の数々が並べられているのを見た。どうして、こうした真っ当な評価をして、仕事をやりやすくしてこなかったのか遺憾の極みだ。
余力を残しての退陣にケチを付けようがない。
持病の「潰瘍性大腸炎」に新しい薬を使うことで状態は改善したが、これが維持できるか分からない。そうなったときに、正しい判断ができるか分からないし、前回のような、みっともない辞め方になって迷惑をかけるのは忍びない。
「(新型コロナの)患者数が減って、冬に向かっての対策もできたので、今が一番、後任者にバトンタッチするのにいいタイミングだ」といって誰も文句を言えない。
北朝鮮による拉致事件や、憲法改正、北方領土返還、デフレ脱却といった宿題の解決ができなかったことを残念だと、唇をかみ少し涙ぐみ、公文書の管理などの不備を率直に謝ってしまえば、それ以上、追及する理由もない。まさに六方を踏みながら花道を下がる趣だ。
党内の流れとしては、石破茂元幹事長に有利な党員投票を避けて、両院議員総会でという方向に急速に流れているようだ。安倍首相は「後任者選びには介入しない」と言ったが、これは岸田文雄政調会長の期待に背くし、コロナ対策を最も緊要の課題としたことは、菅義偉官房長官を利するかもしれない。
また、外交の重要性を強調しなかったことは、もしかするとドナルド・トランプ米大統領などとのパイプは維持して、ある種の「院政」となるかもしれない。議員としての活動を強調したのは、改憲など保守派のリーダーとしての役割に積極的に取り組んでいくということだろう。
そして、新聞記者は誰も聞かなかったが、その延長線上で「3度目の登板」ということも排除していないように見えた。もしかすると、また、さらにパワーアップしての3回目の登板というのもあり得るのでないか。