「世界一かわいい」スナネコ赤ちゃん誕生から4カ月 ブームに沸く那須どうぶつ王国の飼育員インタビュー

愛らしい容姿から「砂漠の天使」と呼ばれる世界最小級の野生ネコの「スナネコ」。栃木県那須町の「那須どうぶつ王国」で4月、日本の動物園で初めて「アミーラ」が誕生すると、「世界一かわいい」と大人気になった。7月には赤ちゃん3匹も生まれ、同王国はスナネコブームに沸いている。飼育員の荒川友紀さん(28)にアミーラ誕生からの4カ月について聞いた。【竹田直人】
◆スナネコが大人気です。
――予想していたより多くのお客様に来ていただいています。新型コロナウイルスの感染防止のため、現在は見学は30秒ごとにしてもらっていますが、列に並び直して何度も見る方もいます。SNS上でも「かわいい」「天使に会いたい」などたくさんのメッセージをいただいています。
◆どうぶつ王国にはスナネコが6匹もいます。
――父親のシャリフと母親のジャミールの間に4月27日、雌のアミーラが生まれました。7月9日にはさらに雌3匹が生まれました。このうち1匹は人工保育で育てていますが、2匹はジャミールが子育てをしています。生まれたときは59グラムしかなかった姉のアミーラも4カ月で1500グラムに成長しました。7月生まれの3匹は500グラムぐらいです。
◆繁殖のペースが早いですね。
――アミーラは誕生直後に衰弱が見られたため、人工保育に切り替えジャミールから離しました。そのためジャミールに「育児のスイッチ」が入らず、すぐに妊娠して7月の出産に至ったようです。自然界では父親は子育てに参加しないので、シャリフは別の展示場所に移しています。子育てが一段落したらジャミールにゆっくり休んでもらって、次の繁殖に備えてもらいたいですね。
◆2回目の出産では、ジャミールに育児のスイッチが入ったのでしょうか。
――もうすっかりママです。出産前はシャリフの餌を横取りするようなこともあったのですが、今は何事も赤ちゃん最優先で母性を感じます。餌を譲ったり、体をなめてあげたり、ずーっと赤ちゃんと一緒にいて、もはや“過保護”。それでもお母さんが自ら育児をすることが理想なので見守っていきたいと思います。また子猫たちもどういうふうに大人になっていくのか、とても楽しみです。
◆出産時の様子はどうでしたか。
――2匹は生まれた時から本当に元気で、すぐに自力でジャミールのおなかに潜り込みました。ジャミールも一生懸命世話を始めてくれて、とても感動しました。1匹はずっと離れた所にいたので人工保育にしました。
◆飼育の苦労はありますか。
――前例がないのでミルクから離乳食に切り替えるタイミングも手探りです。昨年、園内で誕生したマヌルネコなど、他の野生ネコのデータも参考にしています。また、砂漠の動物なので湿度は大敵。感染症も心配なので、温度と湿度の管理には気をつけています。また、人に慣れさせることが目的ではないので、餌やりなど人の手をかけるのは必要最低限にしています。
◆それぞれ個性があるんですね。
――アミーラはアラビア語でお姫様という意味ですが、名前の通り天真らんまんに育っています。それに顔つきもみんな違うんですよ。「アミーラが一番整っている」という同僚もいますが、どの子もかわいいです。ジャミールと一緒にいる赤ちゃん2匹の顔は、母似と父似にはっきり分かれてきました。顔つきの違いも見比べて楽しんでもらいたいですね。