やむを得ない・権利ある・制度を変えるべきだ…党員投票なしに地方賛否

辞任を表明した安倍首相の後継を選ぶ自民党総裁選の方式が決定したことを受け、各都道府県連は1日、準備を本格的に始動させた。与えられた「3票」の投じ先を選ぶため、独自の党員投票(予備選)の実施を決めた組織も多い。全国一斉の党員投票が見送られたことについては、賛否が分かれた。
「制度考えて」

この日開かれた自民党の総務会では、今回の総裁選では全国一斉の党員投票を行わず、両院議員総会で国会議員と各都道府県連の代表者3人による投票で新総裁を選出することが決まった。
「新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、政治空白を作ってはならず、やむを得ないのではないか」。福岡県連の原口剣生会長(県議)は理解を示す。自民党員で名古屋市の自営業の男性(63)も「コロナや景気対策は一刻を争う。本来なら党員投票が望ましいが、この状況を考えれば正しい判断だと思う」と話した。
一方、全国一斉の党員投票実施を求める要望書を党本部に提出していた大阪府連。

奴井
( ぬい ) 和幸総務会長(府議)は「党員には、総裁選で投票する権利がある。党費を納めている以上、党員が1票を投じることができるようにすべきだった」と納得いかない様子。東京都三鷹市に住む60歳代の男性党員は「自民党にとどまらず、日本のリーダーを決める総裁選に直接関わることができないのは残念。任期途中の辞任は今後もあり得るので、制度を変えるべきではないか」と訴えた。
3票の行方は

東京都連は党総務会に先立つ1日朝から、会長や幹事長ら役員約10人が集まり、対応を協議。全国一斉の党員投票が見送られた場合には郵送による予備選を行い、トップ候補に3票全てを投じる方針を決めた。
都内の党員・党友は都道府県別で最も多い約10万人。都連幹部の一人は「大変な労力だが、党員の意思をわかりやすい形で反映するには、この方法しかない」と語る。
神奈川県連も郵送による予備選実施を決定。開票作業は「3密」状態を避けるため、県連の建物より広いホテルで行うことを検討している。
一方、北海道連は、3票の投票先について今後、役員会で協議して決める方針だ。道連幹部の一人は、「予備選に当たる意向調査ができないか検討したいが、郵送で集約しても離島は時間がかかり間に合わない可能性がある」と頭を抱えた。