「二階派だけ抜け駆けたまらない」、菅氏支持3派閥が共同会見…総裁選後にらみ存在感誇示か

自民党総裁選で菅官房長官を支持する派閥の間で、早くも主導権争いが始まっている。他派閥に先駆けて菅氏支持を打ち出した二階派に対し、党内最大派閥の細田派、ともに第2派閥の麻生、竹下両派のトップ3人は2日、そろって記者会見し、菅氏支持をアピールした。総裁選後の人事をにらみ、存在感を誇示する狙いがありそうだ。
二階派 呼ばれず不快感

「7年8か月の間、官房長官として安倍首相を支え、あらゆる国内問題、海外の問題にともに戦ってきた菅氏が安倍内閣の業務を引き継ぎ、リーダーになってもらうことが最善だ」
細田派会長の細田博之元幹事長は2日、国会内の記者会見でこう述べ、菅氏を支持する考えを正式に発表した。両隣には麻生派会長の麻生副総理兼財務相、竹下派会長の竹下亘元総務会長が並び、細田氏に続いて菅氏支持を表明した。
主要派閥の

領袖
( りょうしゅう ) がそろって記者会見に臨み、総裁選対応で結束を示すのは異例だ。3派の議員の合計は206人で、党所属国会議員の過半数を占める。細田派幹部は共同記者会見の狙いについて「二階派外しの動きだ」と明言。別の同派幹部も「二階派だけに抜け駆けされてはたまらない」と語った。
一方、二階派会長代行の河村建夫元官房長官は2日、首相官邸で安倍首相と会談し、菅氏を支持する方針を報告した。共同記者会見に二階派が呼ばれなかったことについては、「これから支援するグループは一つになってやる方がいい」と述べ、首相の出身派閥である細田派の対応に不快感を示した。河村氏は首相との会談に先立ち、麻生氏にも「主導権争いをやっているという余計な臆測を呼ぶ」と懸念を伝えた。
二階幹事長もこの日、竹下派に隠然とした力を持つ青木幹雄元官房長官や、細田派に影響力がある森元首相と相次いで会談した。両派の動きをけん制する狙いがあるとみられる。
二階派は、菅氏の出馬表明前の8月30日、他派閥に先駆けて支持を表明した。その後、岸田、石破両派を除く全派閥が菅氏支持に雪崩を打つ流れを作った。菅氏が総裁選で優位に立つ中で、二階派内からは「菅政権になれば、ポスト争いで優遇が期待できる」との声が出ている。
菅氏支援を確約した二階派議員の署名は2日、菅氏に手渡された。二階氏は署名について、「総裁選でうちが責任を持つということだ」と周辺に語った。
菅氏の陣営で派閥の動きが活発なことに、岸田派の中堅議員は「総裁選が始まってもいないのに、派閥の都合で決着がつく。先祖返りしたような自民党の姿を国民がどう見るのか」と不安視している。