乗せたタクシー運転手「人殺しするようには見えなかった」…「心配してしまうほど」とも

前橋市富士見町皆沢のホテルで経営者の女性が刺殺された事件への関与をほのめかし、無賃乗車の疑いで15日に逮捕されたベトナム国籍の無職の男(30)を乗せたタクシー運転手の男性(69)が読売新聞の取材に応じ、「おとなしそうで、人殺しをするようには見えなかった」と語った。
男性によると、男は3日夜、群馬県大泉町の東武小泉線西小泉駅のタクシー乗り場を訪れ、スマートフォンの画面で前橋市富士見町石井のアパートの住所を見せながら「ここまでいくらかかるか」と聞いてきた。料金を答えると、男は「安くしてほしい」と求めて一度は乗り場を離れたが、再び現れて乗車した。走行中は簡単な日本語で会話をし、男は「自分は36歳」「ベトナムに妻と子どもが3人いる」と話したという。
だが、約54キロ先の目的地に近づくと、男は「金がない」と言い始めた。アパート到着後、料金は1万2030円だったが、「友人がいる」と言って降車し、スマホで電話をかけるそぶりを見せた。
男性は、通帳、充電器、工具のようなものが入ったショルダーバッグと男の在留カードを預かって待ったが、目を離した隙に逃げたという。財布は空で、通帳の残高も390円ぐらいだった。男性は「行くところもないようで、心配してしまうほどだった」と語る。
県警は16日、男の身柄を前橋地検に送った。ホテル経営者の堀越つる子さん(71)が殺害された事件では売上金がなくなっているとみられ、男との関連も調べている。