陸上ハンマーが当たり生徒1人意識不明 顧問不在「安全管理に不備」 県立盛岡農

岩手県滝沢市の盛岡農業高校で部活動中、ハンマー投げのハンマーが生徒2人に当たった事故で、当時は陸上部の顧問3人が不在だったことが17日、学校への取材で分かった。同校は「安全管理に不備があった」と認め、詳しい原因の調査や対策の徹底に当たるとしている。【山田豊】
事故は16日午後4時半ごろに起きた。陸上部の男子生徒(17)が、高さ6~7メートルの金網に囲まれた練習場から投げたハンマー(重さ6キロ)が、約20~30メートル離れた隣のテニスコートで練習するソフトテニス部の男子生徒2人に当たった。ハンマー投げの練習場とテニスコートの間は、高さ約2メートルの金網で隔てられていたが、ハンマーはそれを越えて生徒に当たった。2人は病院に搬送されたが、鉄球部分が頭に当たった生徒(16)は出血して意識不明の状態といい、集中治療室で治療を受けている。ハンマーの持ち手部分が首などに当たった別の男子生徒(17)は17日から登校しているという。
同校では原則、顧問不在時は投てき競技をしないという決まりがあったが、事故のあった16日は月に一度の職員会議の日で、顧問不在で練習していた。職員会議の日は以前も、顧問が付き添わないことがあったという。
当日は、投げる本人やテニスコート近くに立つ陸上部の女子マネジャー2人が「いきます」「危ないです」などと声を出し、周囲に注意を促していた。マネジャーによると、ハンマーは低い軌道で飛んで高さ2メートルの金網すれすれを越え、後ろ向きだった生徒2人に当たったという。
同校の千葉久副校長(56)は「安全管理に不備があったことは否めない。けがをした生徒や家族に申し訳ない。一刻も早く、良くなってほしい」と回復を願った。今後については「詳細を把握して検証する。顧問不在時には投げないことを徹底するほか、金網を更に高くしたり、部活動の曜日を調整したりといった事故防止対策を取りたい」と話した。県教育委員会は17日、全県立高校に、部活動中の安全対策の徹底を求める通知を出した。
17年には群馬で1人死亡
ハンマー投げなど投てき種目による学校での事故は、全国各地で起きている。
2017年には群馬県藤岡市の県立高校のグラウンドで、部活動中の陸上部の男子生徒が投げたハンマーが頭に当たったサッカー部の男子生徒(当時17歳)が死亡した。この事故でも、当時陸上部の顧問が不在だった。08年には東京都足立区の高校で男子生徒が、10年には神奈川県鎌倉市の高校で女子生徒が、それぞれ頭の骨を折る大けがを負った。
日本スポーツ振興センター(JSC)によると、学校で事故が起きた際に顧問などからの申請に基づいて給付金を支給した事例だけでも、投てき種目で死亡や障害が残るような事故は05~18年度に計14件あった。【山田豊】