磁気健康グッズの販売預託商法を展開したジャパンライフ(本社・東京都、破産手続き中)を巡る巨額詐欺事件で、同社は経営破綻する7年前の2010年3月期には債務超過に陥っていたことが捜査関係者への取材で判明した。決算書を粉飾していた。警視庁などの合同捜査本部は、元会長の山口隆祥容疑者(78)=詐欺容疑で逮捕=が主導し、顧客にうたった配当の見込みがないのに、財務状況を健全なように見せながら資金を集め続けたとみている。
同社は17年12月、約2400億円の負債を抱えて経営破綻した。消費者庁の監査では、同年3月期には約338億円の債務超過に陥っていたことが明らかになっている。捜査本部が押収した資料を基に財務状況を精査したところ、10年3月期には負債が資産を上回り、すべての資産を売却しても債務を返済しきれない状態にあったことが判明した。
同社は販売預託商法を03年ごろから展開して以来、破綻するまで決算書に債務超過になっていることを記していなかった。17年3月期も資産が負債を約40億円上回るとしていた。債務超過の状態が続いている間も、決算を粉飾して顧客らを安心させながら、新たな顧客からの収入を運転資金や従来の顧客への配当に充てていたとみられる。捜査本部は決算書の粉飾は06年3月期から続いていたとみている。
顧客に購入を求めた磁気ネックレスなど健康グッズも実際には多くが存在していなかった。同社は販売した商品を預かって第三者に貸し出す形にして、顧客が年6%程度のレンタル料(配当)を得られるとうたっていた。しかし、消費者庁が15年9月に同社の立ち入り検査を実施したところ、契約上は2万2441個の健康治療器を預かっていたはずが、実際に第三者に貸し出されていたのは2749個で、在庫も95個しかなかった。捜査本部は、事業そのものに実体がなかったとみている。
資金繰りが逼迫(ひっぱく)しても、山口元会長ら幹部は多額の報酬を受け取っていたことも捜査で明らかになった。山口元会長は破綻直前まで月額300万~350万円の報酬を得ていたほか、娘で元社長のひろみ容疑者(48)も300万円、他の役員も100万円前後を受け取っていたという。報酬の原資は顧客が出資した資金だったとみられる。
約1万人の被害者のうち、最も多額の被害額は10億円だったことも判明した。高齢の資産家だったという。捜査本部は、同社が違法に集めた額は約2100億円に達するとみている。【柿崎誠】
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警視庁などの合同捜査本部は19日、ジャパンライフ元会長の山口隆祥容疑者(78)ら詐欺容疑で逮捕した14人を東京地検に送検した。