菅義偉首相は「内政」のイメージが強いが、遠慮することなく、「外交」で成果を挙げてもらいたい。特に、日米同盟の強化だ。 と言うと、ご本人からも「えっ?」と聞き返されそうだが、本気でそう期待しているのだ。確かに、安倍晋三前首相は外交を得意としていた。それと比べてほしくないという気持ちも分かる。 だが、臆することはない。田中角栄元首相は、就任から2カ月で日中国交回復を成し遂げたが、とても外交経験が豊かとはいえなかった。首脳外交に必要なのは、日本を引っ張るリーダーとしての胆力である。 元駐米大使の藤崎一郎・中曽根平和研究所(NPI)理事長はメールマガジンで、「米大統領も中国国家主席も相手にするのは現職首相だけだ」と語る。外交指南役ならまだしも、辞めた安倍氏を特使として多用するなど、人任せにしてはいけないと指摘する。 城代家老として8年近く、安倍氏を支えてきた菅首相だが、実は昨年、外交デビューを果たしている。5月の米国訪問だ。マイク・ペンス副大統領や、マイク・ポンペオ国務長官と会談し、北朝鮮による日本人拉致事件の早期解決やミサイル発射での緊密連携を確認している。 めったに外国訪問しない官房長官の訪米を米国は厚遇した。二階俊博幹事長のいち早い支持表明が「菅首相」の流れをつくったのは事実だが、刮目(かつもく)するのは、「ポスト安倍」の最有力候補として、1年以上前から菅首相を処遇していた米国の先見の明だ。むしろ菅首相誕生の流れをつくった黒幕は米国だったのではないかと思わせるほどだ。 菅首相は、北村滋国家安全保障局長を22~26日、米国に派遣して、ロバート・オブライエン米大統領補佐官(国家安全保障問題担当)と会談させる方針だ。この決断は良い。両国トップの側近である安保担当同士は、何度会っても会い過ぎることはない。 だが、菅首相には一日も早い自身の訪米をお願いしたい。新型コロナ禍で内政を置き去りにし、感染の危険がある中で訪米するなんて非常識との見方が政権内では強いだろう。 だから、あえて行くのである。 ドナルド・トランプ米大統領は、大統領選で再選をかけて接戦の最中である。だが、遊説がままならない今だからこそ、ホワイトハウスで会談する機会があろうというものだ。トランプ氏が再選した場合、菅首相の大きなアドバンテージになるのは請け合いである。日本の国益にもかなう。 11月の大統領選で、ジョー・バイデン前副大統領が当選したら、しこりが残るのではないかという見方は間違いである。「現職大統領に自己紹介しに来ただけだ」と言うまでだ。
菅義偉首相は「内政」のイメージが強いが、遠慮することなく、「外交」で成果を挙げてもらいたい。特に、日米同盟の強化だ。
と言うと、ご本人からも「えっ?」と聞き返されそうだが、本気でそう期待しているのだ。確かに、安倍晋三前首相は外交を得意としていた。それと比べてほしくないという気持ちも分かる。
だが、臆することはない。田中角栄元首相は、就任から2カ月で日中国交回復を成し遂げたが、とても外交経験が豊かとはいえなかった。首脳外交に必要なのは、日本を引っ張るリーダーとしての胆力である。
元駐米大使の藤崎一郎・中曽根平和研究所(NPI)理事長はメールマガジンで、「米大統領も中国国家主席も相手にするのは現職首相だけだ」と語る。外交指南役ならまだしも、辞めた安倍氏を特使として多用するなど、人任せにしてはいけないと指摘する。
城代家老として8年近く、安倍氏を支えてきた菅首相だが、実は昨年、外交デビューを果たしている。5月の米国訪問だ。マイク・ペンス副大統領や、マイク・ポンペオ国務長官と会談し、北朝鮮による日本人拉致事件の早期解決やミサイル発射での緊密連携を確認している。
めったに外国訪問しない官房長官の訪米を米国は厚遇した。二階俊博幹事長のいち早い支持表明が「菅首相」の流れをつくったのは事実だが、刮目(かつもく)するのは、「ポスト安倍」の最有力候補として、1年以上前から菅首相を処遇していた米国の先見の明だ。むしろ菅首相誕生の流れをつくった黒幕は米国だったのではないかと思わせるほどだ。
菅首相は、北村滋国家安全保障局長を22~26日、米国に派遣して、ロバート・オブライエン米大統領補佐官(国家安全保障問題担当)と会談させる方針だ。この決断は良い。両国トップの側近である安保担当同士は、何度会っても会い過ぎることはない。
だが、菅首相には一日も早い自身の訪米をお願いしたい。新型コロナ禍で内政を置き去りにし、感染の危険がある中で訪米するなんて非常識との見方が政権内では強いだろう。
だから、あえて行くのである。
ドナルド・トランプ米大統領は、大統領選で再選をかけて接戦の最中である。だが、遊説がままならない今だからこそ、ホワイトハウスで会談する機会があろうというものだ。トランプ氏が再選した場合、菅首相の大きなアドバンテージになるのは請け合いである。日本の国益にもかなう。
11月の大統領選で、ジョー・バイデン前副大統領が当選したら、しこりが残るのではないかという見方は間違いである。「現職大統領に自己紹介しに来ただけだ」と言うまでだ。