河野太郎氏の“存在感”に抜かれた!? 石破・岸田両氏の「サバイバル法」 評論家・八幡和郎氏が寄稿

菅義偉内閣は、報道各社の世論調査で64~74%という高支持率でスタートした。菅首相の存在感と、河野太郎行政改革担当相の発信力が際立っているが、自民党総裁選で敗北した石破茂元幹事長と、岸田文雄前政調会長はまったく目立たなくなった。評論家の八幡和郎氏が寄稿した。

石破氏と岸田氏は現在、「派閥の長」としても生き残りに疑問符が付けられている。彼らにサバイバルの道はないのか。
まず、石破氏には野党に行く道はない。総裁選中、石破派の田村憲久厚労相が「われわれがついていかないから離党はない」と言い切ったように、同派には離党して当選できる人が少ない。
石破氏は外交に弱いので勉強し直すしかない。対韓・対北朝鮮融和策では政権に近づけない。地方創生も里山資本主義は隙間狙いだ。安倍晋三前首相には言葉だけでは対抗できたが、菅首相が「ふるさと納税」や「インバウンド」で示した剛腕で売り出したら、一気にかすんだ。
来年の総裁選で、石破氏は「次点になった岸田氏が対抗馬になるのが筋だ」とか言って逃げて、時間をかけて立て直した方が近道だと思う。石破、岸田両氏は同年生まれで親しいようだから可能だろう。
岸田氏は、菅首相が物足りないとすれば外交だから、歴代最長の4年7カ月、外相を務めたので浮上する可能性はある。「外交の岸田」をアピールできるよう外遊などし、語学力もブラッシュアップして備えるべきだ。
菅首相のもう一つの弱点は、現実主義的すぎて理念を語らないことだ。
岸田氏が「安倍後継」とされていたのは、憲法改正の国民投票を乗り切るにはリベラルな岸田氏が好都合だったからだと思う。「憲法改正」を旗印に掲げたら、菅首相が優先順位を上げないことに不満を持つ保守派の受け皿になるだろう。
国内政策は、石破、岸田両氏とも、お手並み拝見でいいと思う。菅首相のやりたいことは個別政策の積み重ねだ。すでに、「携帯電話の値下げ」や「マイナンバーカード制の改革」とかいわれているが、そういう手法には限界も弊害もあり、ある程度の成果は得られるものの、壁に突き当たるだろう。
菅首相が進めた「内閣人事局の強化」は弊害も当然に出てくる。そうしたときに、菅政権のやり方を否定するのでなく、新しい理念のもとで磨き上げるような方向性を上手に出せば、対抗軸として意味のあるものになるのではないか。