ラグビーワールドカップ(W杯)で日本代表を指揮するジェイミー・ジョセフ・ヘッドコーチ=HC=(49)は、日本の社会人チームでプレーし、日の丸を背負ってW杯に出場した経験もある。就任後に掲げたスローガンは「ONE TEAM(ワンチーム)」。団結を重視した「ジョセフ・ジャパン」は20日夜、開幕戦でロシアと対戦する。
ジョセフHCはニュージーランド(NZ)代表のフォワード(FW)として、1995年のW杯で準優勝した直後に来日した。西日本社会人リーグのサニックスに所属し、福岡県宗像市内のグラウンドで日本人選手と共に汗を流した。
96年からチームメートだった松園正隆さん(45)は、「足が長くて、でかい」が第一印象だった選手が、パスやキックを器用にこなすのに驚いた。当時の日本ではFWに求められていなかった技術で、「これがワールドクラスか」と実感した。
コーチも兼任し、練習から激しいプレーを求めた当時のジョセフ選手は、緊張感が緩むと口調を一変させ、「もっと気持ちを入れろ」と気合を入れた。特に繰り返し口にしたのが「団結力」。「チームがまとまれば結果は出る」と訴え続けた。
「一緒に行動することで互いが分かるようになる」と、試合前日には必ずチームメートと昼食を共にした。自宅へ招き、手料理でもてなすことも。グラウンドの隅に穴を掘り、火をたいて作るNZ先住民マオリの蒸し料理「ハンギ」も振る舞った。
大好物は日本の定食。ラインアウトで「ブリカマ」や「スシ」というサインを考案し、試合では自らコールした。対戦相手の強みや、勝利に向けた戦略を常に研究し、創部5年目の99年にはチームを西日本社会人リーグ制覇へ導き、同年のW杯に日本代表として出場した。
「日本をよく知り、代表でもプレーした。何より日本が好きだ」とジョセフHCを評する松園さんは、初のベスト8入りで歴史を塗り替えることを願っている。