東京のGoTo利用者が感染 愛知、長崎、佐賀で各1泊 濃厚接触者なし

佐賀県は4日、県内で新型コロナウイルスの感染が3日に確認された東京都在住の20代の会社員女性が、政府の観光支援事業「Go Toトラベル」を利用して長崎県と佐賀県を訪れていたと発表した。同事業は1日から東京発着の旅行が追加されたばかり。東京都からの事業利用者の感染が確認されるのは初めてとみられる。
佐賀県によると、女性は都内の会社に勤務。母親と共に9月30日に愛知県、10月1日に長崎県、2日に佐賀県を訪れ、それぞれ1泊した。1日に同僚の感染が確認されたため、会社側からPCR検査(遺伝子検査)を受けるよう指示があり、2日に佐賀県内の医療機関を受診。3日に陽性が判明した。母親は陰性だった。
女性は「Go Toトラベルを使って長崎と佐賀に旅行しに来た」と話しているという。旅行中、基本的にはマスクを着け、愛知県から長崎県は飛行機、長崎県から佐賀県は主に鉄道で移動していた。佐賀県内では宿泊施設と医療機関以外は出かけておらず、同県内での濃厚接触者や体調不良者は確認されていない。
女性は無症状者だった。佐賀県は「東京で感染して無症状のまま旅行に出たと考えるのが合理的。本人たちは『3密』を避けながら旅行を楽しんでいた」とし、他の都内からの旅行者に対しても「今後もきちんと対策をしてもらいながら佐賀県に来てもらいたい」と話している。【池田美欧】