昨夏参院選をめぐる大型買収事件で、公選法違反(買収、事前運動)罪に問われた参院議員、河井案里被告(47)の公判が5日、東京地裁(高橋康明裁判長)であり、広島県江田島市の胡子雅信市議(50)の証人尋問が行われた。胡子市議は、案里被告の公設第1秘書から「先生からです」と言われ、現金10万円入りの封筒を受け取ったと証言した。
現金を受け取ったとされる地元議員ら100人のうち、これで案里被告が現金提供に共謀したとされる5人全員の証人尋問が終わった。
証言によると、案里被告は参院選を控えた昨年6月16日、胡子市議の紹介で同市内でのカラオケ大会に参加した。その帰り際、前田智代栄秘書(61)が会場で胡子市議に駆け寄り、「先生から」と言って茶封筒を渡したという。市議は「中身を言われなかったので、現金かもしれないと感じた。次の予定が迫っており、周囲に人もいたので受け取ってしまった」と述べた。
[時事通信社]