原発で使い終わった核燃料から取り出されたプルトニウムを再利用して新たな核燃料を作る日本原燃の加工工場(青森県六ケ所村)について、原子力規制委員会は7日、国民の意見募集など経れば国の新規制基準を満たすと判断した。同社の再処理工場(同)も7月に基準に適合しており、使用済み核燃料を繰り返し再利用する国の「核燃料サイクル政策」の主要な施設が国の安全審査を通過することになる。
ただ、核燃サイクル政策は行き詰まっている。このため、再処理工場も加工工場も本格稼働は見通せていない。
今回、新規制基準に事実上達したのは、地上2階、地下3階の鉄筋コンクリート造りの「MOX(モックス)燃料工場」。加工工場では、同じ敷地にある再処理工場(7月に基準適合)で使用済み核燃料から取り出されるプルトニウムを使ってMOX燃料を作る。
MOX燃料は、受け入れ可能な原発や、次世代の原発とされる「高速炉」で使われる。しかし、原発の再稼働は進んでおらず、高速炉の開発はめどすら立っていない。
加工工場を巡っては、日本原燃は2010年10月、着工した。敷地を造成していた11年3月に東日本大震災が起き、工事を中断せざるを得なかった。原発事故に伴う国の新規制基準を受け、14年1月に安全審査を申請していた。22年9月までの完成を目指す。
審査では、主に火災対策が焦点になった。取り出されたプルトニウムの粉末をウランの粉末と混ぜる工程があり、火災や爆発によって粉末などが屋外に飛び散らないよう、自動の消火装置や防火シャッターの設置を求めることにした。想定する最大の地震の揺れを示す「基準地震動」は、再処理工場と同じ700ガル(ガルは加速度の単位)に設定されることになった。
MOX燃料を使った発電は、これまでも実施されている。通常の核燃料による発電後の使用済み核燃料は、フランスと英国に運ばれて再利用できるプルトニウムが取り出され、フランスでMOX燃料に加工されてきた。【塚本恒】