原子力発電で生じた高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分地選定をめぐり、北海道寿都(すっつ)町の片岡春雄町長は8日、選定の第1段階となる文献調査への応募を正式表明した。9日に原子力発電環境整備機構(NUMO)へ書類を提出する。応募は平成19年の高知県東洋町以来。調査に入れば全国初となる。
寿都町から約40キロ離れた神恵内(かもえない)村でも、村議会が臨時本会議で応募検討を求める村商工会の請願を正式採択。高橋昌幸村長が調査を事実上受け入れる意向を示した。9日に国が調査受け入れを申し入れ、村が応じるとみられる。2町村の応募により、難航していた選定作業が動き出す。
文献調査は過去の記録で火山や断層の活動などを調べるもので、受け入れ自治体には、約2年間で最大20億円の交付金が支払われる。
寿都町議会の8日の全員協議会後に記者会見した片岡町長は、応募を決断した理由を「町に(賛否で)分断が起きる前に判断したい。議会も百パーセントではないが後押ししてくれた」と説明。「核のごみの議論に一石を投じる」として、全国的な議論の必要性を強く訴えた。
寿都町の応募表明を受け、鈴木直道知事は「(核のごみを「受け入れがたい」とした)道条例を順守いただきたい。対話を重ねる」とコメント。
一方、加藤勝信官房長官は同日の記者会見で「前向きな議論をいただいていることは、政府としてありがたい」と歓迎した。