秋田県警能代署は、藤里町藤琴の住宅街で7日に熊に襲われ重傷を負った近くの米森キヨさん(83)が、14日に病院で死亡したと発表した。死因は脳挫傷だった。県警地域課のまとめでは、県内で熊に襲われて亡くなった事故は2017年5月以来。
能代署によると7日正午ごろ、米森さんが町役場近くの空き地に倒れているのが見つかった。頭の骨が折れ、搬送中に「熊に襲われた」と話していた。
県が藤里町で開いた緊急対策会議では、米森さんが別の場所で栗拾いをした後に歩いていて、近くの水路に入っていた熊に気づかないまま近づき、熊が身を守ろうと正面から女性を襲ったのではないかとの見方が示された。現場付近の河川敷には熊が通った足跡などが残っていた。
能代署によると7日以降、近隣での熊の目撃情報は寄せられていない。
県、ツキノワグマ出没警報を発令
県は15日、県内全域にツキノワグマ出没警報を発令した。藤里町で7日に熊に襲われた80代女性が14日に死亡したことや、住宅街付近での目撃事案などが発生していることを受け、7月に発令した注意報から引き上げた。期間は31日まで。
県自然保護課によると今年に入り、14日現在で計7件8人の熊による人身被害が発生。死者が出たのは3年ぶりで、重傷者も2人となっている。
県内では12日に横手市の住宅街付近で熊が出没するなど、人の生活圏での被害発生も危惧される。同課の泉山吉明専門員は「人里付近にも冬眠に備えてエサを求め、行動が活発な熊がいる可能性がある」と指摘。「住宅街でもやぶなど熊が潜みやすい場所がある。散歩でそういった場所にむやみに近づかないなど注意してほしい」と呼びかけた。【猪森万里夏、高野裕士】