新型コロナウイルス感染拡大を受け、国が雇用保険未加入の従業員の休業手当などを助成する「緊急雇用安定助成金」をだまし取ろうとしたとして、岡山県警は21日、大阪府岸和田市の会社員、安炳均(あんへいきん)容疑者(38)=韓国籍=と岡山市南区の自称教材販売業、明石祐其(ゆうき)容疑者(29)を詐欺未遂容疑で逮捕した。県警によると、同助成金に関する逮捕は全国で初という。
逮捕容疑は、2人は明石容疑者の知人が代表を務める保険代理業の事業所を飲食店と偽り、新型コロナの影響で売り上げが減少した事実がなく、雇用保険未加入の従業員がいないにもかかわらず、6月に虚偽の申請書類を笠岡公共職業安定所(岡山県笠岡市)を介して厚生労働省岡山労働局に送付し、助成金をだまし取ろうとしたとしている。
県警によると、知人が助成金支給前の7月13日に県警笠岡署に自首し、助成金は支払われなかった。安容疑者は容疑を否認し、明石容疑者は「虚偽の申請は間違いないが、だまし取る気持ちはなかった」と一部否認しているという。【松室花実】