福岡県警行橋署は16日、迷子になっていた7歳の女児の保護に貢献したとして、行橋小5年、今村晄(あきら)さん(11)に感謝状を贈った。北永章夫署長は「見て見ぬ振りをすることが多い世の中。機転を利かせて声を掛け、事件に巻き込まれることを防いでくれた」と今村さんの勇気ある行動をたたえた。【松本昌樹】
同署などによると、9月29日午後6時半ごろ、そろばん教室から自転車で帰宅中、行橋市大橋1の県道沿いの歩道で、小型犬を連れ、一人で泣いている女の子を見つけた。「どうかしたんですか」と聞くと「道に迷った」と答えたため、父親の雅和さん(47)に携帯電話で連絡。父の指示で女の子と一緒にそろばん教室まで戻り、雅和さんの通報を受けた行橋署員が女の子を保護した。同じころ、娘の帰宅が遅いことを心配した母親が同署に通報しており、午後7時半ごろ、女の子は無事、母親に引き渡された。同署に駆けつけた母親の姿を見ると、女の子は走って駆け寄り、母親は両手でしっかり抱きしめていたという。
今村さんは「外は暗くなり、何人かの人が通りかかったけど誰も知らんぷりだった。声を掛け女の子が無事に帰れてよかった」と話し、雅和さんは「よくやってくれた。誇らしい」と息子のお手柄をねぎらい、「当日はゲーム禁止の日だったがご褒美に許しました」と目を細めた。