北九州市小倉北区の路上で2019年12月、男性を刺殺したなどとして、殺人と銃刀法違反の罪に問われた同区神岳2の建設作業員、井口健一被告(49)は26日、福岡地裁小倉支部(鈴嶋晋一裁判長)の裁判員裁判の初公判で、「殺意はありません」と起訴内容を一部否認した。弁護側も「傷害致死罪にとどまる」と主張した。
起訴状によると、井口被告は19年12月21日深夜、小倉北区神岳1の路上で、小倉南区の林哲也さん(当時40歳)の左側腹部を包丁で刺し、死亡させたなどとされる。井口被告は当時、別の男性とけんかになり、林さんは男性に付き添っていた。
検察側は冒頭陳述で「制止した林さんに殺意を持ち、包丁を意図的に突き刺した」と主張。一方、弁護側は「身の危険を感じて包丁を突き出したところ、林さんが男性との間に来た。刺さってしまったのは偶然で、井口被告は刺さったことすら認識していなかった」と訴えた。【成松秋穂】