昨夏参院選をめぐる大型買収事件で、公選法違反(買収、事前運動)罪に問われた参院議員、河井案里被告(47)について、東京地裁は27日、保釈を認める決定をした。保釈保証金1200万円は即日納付され、被告は同日夜、東京拘置所から保釈された。
案里被告の身柄拘束が解かれたのは、夫で衆院議員の元法相克行被告(57)と共に6月18日に逮捕されて以来、約4カ月ぶり。検察側は決定を不服として抗告したが、東京高裁は棄却した。
案里被告は午後9時前、拘置所の建物を出た。薄紫色のセーターに灰色のズボン姿で、集まった約100人の報道陣に向かってマスクを取り一礼。淡々とした表情で再びマスクを着けると、迎えの黒いワンボックスカーに乗り込み、拘置所を後にした。
案里被告は公判で無罪を主張している。弁護人が16日に5回目の保釈請求をし、同被告も現在の心情などを記した上申書を地裁に提出していた。
夫妻の公判は当初、同じ法廷で進められたが、9月16日以降分離された。案里被告の公判は克行被告や事務所スタッフ、現金を受け取った地元議員らの証人尋問が終わり、11月13日から被告人質問が行われる予定。地裁は審理が進んだことから、証拠隠滅の恐れがなくなったと判断し、保釈を許可したとみられる。
[時事通信社]