購入バッテリーから出火 自宅火災の男性がアマゾン提訴 「出品審査義務果たさず」

インターネット通販大手アマゾンを利用し、中国の業者から購入したバッテリーが発火して自宅が燃えたのはアマゾン側が販売業者や商品の審査を怠ったためとして、宇都宮市の会社員、加藤尚徳(なおのり)さん(34)が29日、アマゾンの米国本社と日本法人に30万円の損害賠償を求めて東京地裁に提訴した。
訴状によると、加藤さんは2016年6月、アマゾンを利用して中国製の自動車用のモバイルバッテリーを購入。翌年11月に自宅が焼け、消防の調査で火元はバッテリーと判明した。被害額は約1000万円で、保険などでカバーされなかった分のうち30万円を支払うよう求めている。加藤さんは「消費者が被害に遭った時に何の補償もなく、誰も責任を取らない現状を知ってもらいたい」と話す。アマゾンの日本法人は取材に対し「コメントを控えさせていただきます」と回答した。
ネット通販を巡っては、欠陥品や偽ブランド品などが販売されるといったトラブルが多発。しかし、出品業者が偽の連絡先を表示した場合など業者の特定や被害回復が難しく、取引を仲介する通販業者に対しても責任を求める声がある。加藤さんは「アマゾンは最低限の安全確認事項である出店・出品審査を行う義務を果たしていない」と主張している。
加藤さんは火災発生後、中国の業者にアマゾンのメッセージ機能を使って連絡したものの返信が次第に途絶えるようになった。アマゾンのサイトに表示されていた業者の電話番号にもつながらなかったため、アマゾンに問い合わせたが「連絡先は知らない」と回答され、業者との交渉仲介も断られたという。加藤さんは「アマゾンには消費者が業者に問い合わせができるように適切な表示を維持、把握する体制を構築する義務がある」と話す。加藤さんは、アマゾンのような通販業者に対し、出品者の審査や表記の確認、補償制度の導入を求めていくとして、クラウドファンディングで活動への賛同者を募るという。【林奈緒美】