「GoTo併用」旅の都民割、実質無料も…「ニューオータニ」は2時間で完売

新型コロナウイルスの影響で落ち込んだ観光事業者を支えようと、各地の自治体が独自の支援策を打ち出している。東京では23日から、都民を対象に都が都内旅行の費用を割り引く事業「もっと東京」(都民割)がスタートしたが、発売直後に完売するプランが現れるなど、予約が集中。識者は一過性でなく、効果が持続的に続く施策が必要だと指摘している。

東京都千代田区の「ホテルニューオータニ」が都民割の開始に合わせ、宿泊プランを売り出したところ、発売後約2時間で完売した。
対象の部屋は1泊約3万円のトリプルルーム。3人で宿泊した場合、都民割で1人5000円ずつ(計1万5000円)が割り引かれる。さらに国の観光支援策「Go To トラベル」を併用すれば、部屋代の35%(約1万円)が引かれ、5000円分の地域共通クーポンが配られる。同ホテルマーケティング課の湯本健太郎さん(29)は「実質0円で宿泊できる、破格のプラン」と説明する。
同ホテルでは3月以降、客室稼働率が5割未満に落ち込んだ月もあり、湯本さんは「これを機に、客足が戻ってほしい」と期待する。
完売は、インターネットの宿泊予約サイトでも相次ぐ。「エアトリ」では、系列会社分も含め都内宿泊施設の1000泊分を用意したが、2時間ほどで売り切れた。都民割の利用を計画しているという江東区の男性会社員(42)は「都民割を使えるサイトが見つからない」と困惑する。都には28日までに数百件の問い合わせがあり、担当者は「これから対象商品を販売する事業者も多い」と理解を求める。