新型コロナウイルス感染拡大の影響で、思い悩む人に寄り添って命を守る「群馬いのちの電話」に深刻な訴えや自殺に関連する相談が相次いでいる。一方、相談員の感染防止も図らなければならず、同電話は時間を縮小せざるを得ないジレンマを抱えながら相談を受けているという。
「これまでは外出をしていた人が、コロナ禍でできなくなっている。『行き場がなくなり、一層孤独感を抱えている』といった深刻な相談が増えている」。同電話の中粉克紀事務局長は現状をそう明かす。相談が深刻さを増せば、1件の通話時間が長くなり、限られた相談員で受信できる件数は減ってしまう。
有名人の訃報が続いた夏以降は自殺に関連する相談も増加。警察庁の統計でも県内の自殺者は7月は27人と前年を2人下回ったが、8月は41人と前年を5人上回り、急増した。中粉事務局長は「有名人の訃報を伝える報道の後、『いのちの電話』が告知され、気に留めてもらえるようになったようだ。これまでいのちの電話に関心がなかった人たちからの相談が確実に増加している」と説明する。
同電話の相談員は高齢のボランティアが中心だ。感染拡大のため4月15日から一時、相談の受け付けを休止せざるを得なかった。また、以前の相談時間は午前0時までだったが6月1日の再開後は、午後9時半までに繰り上げているという。
今年は中止した相談員養成講座は、2021年には再開する予定だ。中粉事務局長は「通じにくいこともあるかもしれないが、できる限り相談者に寄り添っていきたい」としている。相談は同電話(027・221・0783)、またはナビダイヤル(0570・783・556)。【庄司哲也】