岩手県紫波町栃内のリンゴ園で2日朝、収穫間近の「シナノゴールド」約6000個(時価約120万円)が木からもぎ取られているのを生産者が見つけ、紫波署に届け出た。同署は窃盗事件として調べている。これを受けJAいわて中央は生産者向けに、警戒を強めるよう注意喚起の文書を選果場に張り出すことを決めた。
被害に遭ったリンゴ園「農事組合法人 東長岡果樹生産組合」の藤沼伸理事は2日午前6時ごろ、収穫作業のため車でリンゴ園に到着。すぐにリンゴの木の異変に気付いた。前回見回りをした10月29日から2日までの間に約70本の木から、ほぼすべてのリンゴがもぎとられたとみられる。
現場には収穫したリンゴを入れるケースを裏返しにして踏み台にした形跡があり、軽トラックが通ったような跡もあった。また、枝も何本か折られていた。藤沼さんは「新しい枝が育つまで4~5年かかる。それまで収穫量が減ってしまう」と肩を落とした。
盗まれたシナノゴールドは贈答用。藤沼さんは「今年は色も形も良かった。クマでも数個食べたら帰るので、クマよりたちが悪い。悔しいし、本当に許せない」と憤りを募らせた。
JAいわて中央の担当者は「生産者には園の周辺に見慣れない車があったらナンバーを控えておくことや、収穫後の保管場所にカギを掛けることを促したい」と話す。他県でもミカンや桃、シャインマスカットなどが大量に盗まれる事件が相次いでいる。【山田豊】