山梨県知事、河野氏へ「誤解受ける表現控えて」 はんこ産地「押印廃止」に嫌悪感

河野太郎行政改革担当相が平井卓也デジタル改革担当相から贈られた「押印廃止」と彫られたはんこの写真をツイッターに投稿(後に削除)したことについて、全国有数のはんこの産地である山梨県の長崎幸太郎知事は5日の記者会見で、「決して悪気があったとは思わないが、誤解を受けやすい表現や対応はなるべく控えてほしい」と、改めて苦言を呈した。
長崎知事は、河野氏の旗振りで行政手続き上の押印省略の流れが進む中、不安を抱える県内の印章産業関係者を念頭に「デジタル化を受け入れていこうと覚悟を固めた上で生きる道を模索している方々に対し、ちゃかすようなことをするのはいかがなものか」と指摘。自身のツイッター上で河野氏のツイートに「嫌悪感」を示した理由を説明した。
4日の閣議後会見で「はんこの新たな可能性というものを我々も模索して提案していきたい」と述べた河野氏に対し「SNSで発信するだけでなく具体的な政策としてぜひ実行してほしい」と有言実行を強く求めた。
長崎知事は6日に「日本の印章制度・文化を守る議員連盟」(はんこ議連)の国会議員らとともに自民党本部を訪れ、はんこの存在を否定するような表現をしないよう要望するという。【梅田啓祐】