ナマズと結核予防 博士号持つ秋篠宮ご夫妻、公務でもプラスに「今後も研究を」

秋篠宮ご夫妻は公的な活動を精力的にこなしつつ、関心のある分野で研究活動も続けられている。秋篠宮さまは理学、紀子さまは人文科学の博士号を取得している。ご夫妻と親交のある人たちは「研究活動を今後も続けてほしい」と期待を寄せる。【稲垣衆史】
秋篠宮さま、皇族初の博士号
秋篠宮さまは幼い頃から生き物に関心が高く、学習院初等科の卒業文集では、世界の食糧難に対応するため巨大な食肉用のニワトリを作るという夢をつづっていた。
学習院大卒業後の1988年に渡英し、オックスフォード大で動物学を専攻した。帰国後の96年、野鶏の家禽(かきん)化に関する論文で国立総合研究大学院大学で理学博士号を取得した。皇族初の博士号だった。
ナマズ研究でも広く知られ、「ナマズの殿下」とも呼ばれた。学習院大法学部在学中にサークル活動で訪れたタイで出合ったメコンオオナマズに夢中になり、研究のためタイをたびたび訪問している。
国立民族学博物館の池谷和信教授(環境人類学)によると、秋篠宮さまは環境などの専門家であるタイのシリントン王女とタイのニワトリの家禽化の共同研究を行うなど、海外の研究者とも親交が深い。池谷さんは「秋篠宮さまは公的な活動を最優先されているが、研究を通じて深い知見と広い視野、幅広い親交を得られたと思う」と話す。
紀子さまは結核予防会の総裁
紀子さまは「結核予防会」の総裁職を94年に秩父宮妃勢津子さま(95年逝去)から引き継いだ。関連団体「全国結核予防婦人団体連絡協議会」が最新の知識を学ぶために行っている講習会に毎年参加するなど深く関わり続けている。同会の木下幸子会長は「講習会では気さくに会員に話しかけてくれ、励みにもなっている」と話す。2013年には結核予防に関する論文によってお茶の水女子大で人文科学の博士号を取得した。
結核予防会は毎年、途上国から多くの研修生を受け入れる。紀子さまは80カ国の1000人あまりの研修生を宮邸に招いて激励し、外国訪問時には研修の卒業生らと面会して最新の情勢を収集してきた。こうした活動が結核予防の普及に貢献したとの評価を得て、18年に国際結核肺疾患予防連合(ユニオン)から「名誉会員」の称号も贈られた。今年のユニオンの国際会議は新型コロナウイルスの感染拡大のためウェブ開催となり、ビデオメッセージを寄せた。
結核予防会の工藤翔二理事長は「紀子さまはおことばの内容を非常に心を込めて考えられていると感じている。世界の結核や肺疾患予防の分野で日本の存在感を高めてくれている」と話す。