冬の観光シーズン直撃「国内だけが頼りなのに」 北海道、止まらぬ感染拡大

北海道の新型コロナウイルスの感染拡大が止まらない。道は16日、独自の警戒ステージを札幌市のみ1段階上の「4」として扱う方針を明らかにした。市内外の往来自粛の要請も決まった。冬の観光シーズンを目前にひかえ、北海道に多くの観光客が訪れることを期待していた関係者のショックは大きい。
「まさかこのタイミングとは」。札幌冬季五輪が開かれた手稲山にあるスキー場「サッポロテイネ」(札幌市)の担当者は肩を落とした。
違うグループ同士のゴンドラの相乗りをやめるなどの感染対策を講じ、21日にオープンすることが決まっている。しかし、客がどれほど集まるかは未知数だ。
担当者は「今シーズンはもともと海外客が見込めない。国内や道内の客だけが頼りなのに」とため息をつく。
例年2月に同市中心部の大通公園で開かれる道内最大の冬の観光イベント「さっぽろ雪まつり」に影響が出る可能性もある。
すでに呼び物である大雪像の展示は中止が決まっている。現在、開催日程を調整中で、12月に詳細が決まる見込みだ。
実行委員会の担当者は「まだ開催すら決まっていない。何もコメントできない」と言葉少なだった。
同公園ではすでに、今月20日に開幕する予定のイベント「さっぽろホワイトイルミネーション」(札幌市など主催)の準備が進む。
しかし、今後も感染が広がれば開催自体も危ぶまれる。担当者は「感染対策などについて今日から札幌市と検討を始めたばかり。まだ全く決まっていない」と慌てた様子で、情報収集に追われていた。
市民の受け止め方もさまざまだ。
市内在住の大学1年、伊井悠さん(19)は「ショックだけど仕方ない」と淡々と話す。周囲には今も感染対策を考えずに飲みに行く友人もいるという。「コロナを広めないためにも、警戒ステージが上がることは良かったと思う」
娘と函館旅行を計画していた主婦、毛利和子さん(70)は旅行のキャンセルを検討している。「まだ悩んでいるが、自分も感染が怖いので仕方ない」と話した。
一方、札幌市のみの警戒レベル引き上げに疑問を持つ声も。会社員、植木謙さん(53)は「(政府の)GoToトラベルがある限り、警戒ステージが『4』でも『5』でも効果がないのでは」と指摘。道外から人が流入する現状に「完全に人の流れを止めなければ意味がないように思う」と強調した。【土谷純一、菊地美彩】