医療崩壊の回避焦点 繁華街リスク抑制へ時短、封じ込め「短期集中」

東京都の小池百合子知事は25日、新型コロナウイルスの感染状況悪化を受け、再び営業時間短縮要請を打ち出した。重症者数が2日連続で50人を超えるなど医療崩壊への懸念が高まる中、繁華街での感染リスクを抑え、家庭内でウイルスが広がる状況に歯止めをかける狙いがある。一方、政府の観光支援事業「Go To トラベル」の一時除外の要請は見送り、「全国的な視点から国が判断を行うことが筋」と強調した。
小池氏は緊急記者会見で「都民の命を守るために手段をつくして重症化を防ぎ、医療崩壊を何としても回避しなければならない。これが一番重要」と強調。封じ込めに向けて「短期集中」で取り組むとした上で、「仕事を失い、事業が立ちゆかなくなり、生活に困窮し、将来に不安を抱えている多くの人がいる」とし、雇用対策などを強化する方針を示した。
都は19日に感染状況の警戒度を最高レベルに引き上げたが、重症者数が30~40人台で推移していたことや、過去の拡大期に比べ感染経路が多様化していることを踏まえ、その時点の時短要請を見送った。
だが24日に重症者数が50人を超え緊迫度が上がった。都関係者によると、コロナ以外の通常の医療を逼迫(ひっぱく)させる懸念が強まる水準と位置付けられ、「食い止めるために対策を取る必要がある」(都幹部)との方向にかじを切った。
都は8月から9月にかけて行った前回の時短要請では繁華街の人出も抑えられて新規感染者数が減ったなどと説明、理解を求めた。
焦点だったGo To トラベルの一時除外については政府との考え方の違いがある。感染拡大地域を「目的地」とする旅行を制限する政府方針に対し、都側は「出発地」とする旅行の制限も必要との姿勢だ。小池氏は、Go To トラベルは政府が判断すべきだとの認識を改めて示しつつ、「都は、都における命を守るという責任がある」として都民の都内旅行を補助する独自事業について見直しを打ち出した。