安倍晋三前首相の後援会が「桜を見る会」の前日に主催した前夜祭で、会場となった東京都内のホテル側への支払総額の一部を安倍氏側が補填(ほてん)したものの、政治資金収支報告書に記載していなかったことが分かった。安倍氏周辺が明らかにした。
安倍氏は国会答弁で補填を否定していたが、事務所の秘書が安倍氏に虚偽の報告をしたという。東京地検特捜部は、公選法(寄付行為)や政治資金規正法に違反しないか、慎重に調べを進めている。
「(全国の弁護士らの)告発を受け、(東京地検の)捜査が行われていると承知している」「事務所としては全面的に協力している。それ以上は、今の段階では答えられない」
安倍氏は24日、国会内で記者団にこう語った。
前夜祭は2013年以降、政治団体「安倍晋三後援会」が地元・山口県内の支援者ら数百人を集め、都内の2つのホテルで開催。関係者によると、昨年までの5年間で、参加者の会費と各ホテルに支払われた総額の差は計800万円を超える疑いがあるという。
野党は1人5000円の会費が安すぎると指摘し、総額と参加者から集めた会費との差額を安倍氏側が補填したのではないかと追及していた。
安倍氏周辺によると、昨年末、安倍氏が国会答弁に備えるため、秘書に「5000円以外に事務所が支出をしていないか」と尋ねた。秘書は「払っていない」と虚偽の報告をした。秘書は「(補填を)政治資金収支報告書に記載すべきなのにしていない事実を知っていた。(補填はないという)答弁をしてもらう以外ないと勝手に判断した」などと話しているという。
特捜部は、有権者への寄付を禁じる公選法や、政治団体の収支記載を義務付ける政治資金規正法に違反しないか徹底的に調べている。
問題の秘書は、一部の報道があった23日に安倍氏に報告したという。特捜部の調べにも、安倍氏に虚偽の内容を伝えた旨を話したという。
安倍氏は国会で事実と異なる答弁をした以上、記者会見などを開いて国民に説明すべきだ。